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    役立つコラムに新しい記事「男女別年金受給額の分布」を投稿しました。 あくまでも事実を客観的に示したものですが、ご自分の将来の年金額やライフプランに目を向けるきっかけになれば幸いです。

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個人年金保険とiDeCo、つみたてNISAの比較


 2021/08/20

 [資産運用]

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REIT(リート)という不動産投資


 2021/08/11

 [資産運用]

43

マイホームの売却か賃貸か


 2021/08/04

 [不動産]

42

マイカーとカーシェアリングの比較


 2021/07/26

 [ライフプラン]

41

住宅購入時にかかる諸費用


 2021/07/20

 [不動産]

40

家財の買替費用、マンションの修繕費用


 2021/07/14

 [不動産]

39

金融資産の保護制度


 2021/07/08

 [資産運用]

38

分散投資サービスのコスト


 2021/06/21

 [資産運用]

8件/全117件

個人年金保険とiDeCo、つみたてNISAの比較
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 保険商品に個人年金保険がありますが、若いうちに積立てて置き、定年退職後に一定額を年金で受け取るタイプの保険です。受取年金額と受取期間が確定した「確定年金」などの一定の要件のもと、所得税の課税所得から最大で4万円(住民税は最大で2.8万円)の保険料控除が受けられます。例えば、年間36万円の保険料を20年間支払う場合で、所得税の税率が20%の人は、4万円×所得税20%+2.8万円×住民税10%=10,800円/年の税金が減額され、20年間で21.6万円の保険料軽減になります。一方、年金受取時には年金額×(1-保険料総額/年金総額)=運用益を雑所得に合算して、所得税、住民税が課税されます。また、確定年金の場合、年金受取期間中に本人が死亡しても遺族が受け取ることができます。このような特徴がありますが、昔と比べて個人年金保険の予定利率が低下しており、保険料が割高に感じられる場合もあるかもしれません。

 そこで、個人年金の選択肢として、iDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISA(2024年以降に始める場合は、新NISAのつみたて投資枠(2023/12/6 追記))を個人年金保険と比較し、その特徴を整理してみました。これらは、個人年金保険と異なり、利率は選択したファンドの成績に依存し、保証されないため、将来の受取年金額が確定しないものの、選択するファンドによっては、個人年金保険を超える利率も期待できます。

 表に、それぞれの個人年金の具体的な計算例を記載しています。毎月3万円づつ20年間積立て(元金720万円)、期待利率を3%(但し、運用コストをそれぞれ0.5%と仮定)とした場合の、個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAの3つの個人年金を比較しています。但し、この計算例は、あくまでもイメージを掴んでいただくためのもので、条件等は仮定の値であり、実際の商品を当てはめたものではなく、個人個人の所得状況によっても異なりますので、ご了解ください。

 まず、個人年金保険は、年金額が確定していて、将来の計画が立てやすいメリットがありますが、契約で受取開始時期が決まっており、早期に解約すると、解約返戻金が払い込み保険料を下回る場合があります。また、前述の通り、受取年金額が確定している分、予定利率は若干低めに設定されており、この例のような高予定利率の円建て個人年期保険は、現在ではなかなか期待できません。運用結果によって受取額が増減する変額個人年金保険や、円建てより予定利率が高い外貨建て個人年金保険などのリスクのある個人年金保険もありますが、ここでは、課税や所得控除などの基本的な違いを比較するために、円建ての個人年金保険を代表とし、比較することにします。

 iDeCoは、掛金に上限(企業年金、企業型確定拠出年金を実施していない会社員で月額2.3万円など)があるものの、掛金は社会保険料として全額所得控除されるため、実質的に保険料を下げるメリットがあります。また、運用中は非課税であるため、税引後返戻率(税引後年金総額/(積立総額-節税総額))で見ても、最も効率が良いと言えます。但し、60歳以上にならないと受取れない制限があり、また受取時には全額が雑所得とみなされます。このため、他の公的年金と合算して年金控除の対象となるものの、それを超える分は課税所得になることから、他の公的年金が年金控除額を既に上回っている場合、iDeCoで受け取る年金は全額課税対象となります。さらに、他の所得との合算額が多いと税率も上がります。また、計算には含みませんが、課税所得が増える分、社会保険料も増加し、70歳以上の場合には、医療費や介護費用の自己負担割合の増加に繋がる可能性もありますので、年金受取り時期には注意してください。定年退職後、公的年金を受け取るまでのつなぎの収入、あるいは自営業などで公的年金受給額が少ない場合に適していると考えられます(2021/11/9 一部加筆)。

 つみたてNISAは、現状では2042年まで新規購入が可能な制度となっており、積立額が年間40万円に制限されますが、運用益が非課税(購入から20年間での運用益は、20年後以降も非課税)になることで、年金額を上積みすることができます。つまり、遅くとも2023年から始めれば、最大20年間非課税で積立てられ、最大20年間非課税で運用しながら年金を受け取ることができます。2024年以降、新NISAのつみたて投資枠に制度変更になります。新NISAのつみたて投資枠を利用すれば、非課税期間は無期限、積立額が年間最大120万円、通算で1,800万円まで積み立てることができます。運用しながらの年金の受け取りも無期限で運用益が非課税になります。受取った年金も非課税のため、社会保険料も増加しません。また、急にお金が必要になったとしても、年齢にかかわらずいつでも取り崩すことができます。なお、これまでのつみたてNISAは、2024年以降は新規購入ができませんが、購入時から20年間はそのまま非課税で保有でき、売却も可能です。(2023/12/6 下線部加筆修正)。

 以上の特徴と、他の公的年金額や所得、必要な個人年金額などを考慮して、どの実現方法が自分に合っているか、比較検討されると良いと思います。個人年期保険と異なり、iDeCoでもつみたてNISAでも、長期の積立て運用は比較的安定であるとは言え、元本割れのリスクも全く無いわけではありません。基礎的な生活費は終身年金である公的年金や、他の所得で賄い、健康寿命を謳歌するための余裕資金などとして個人年金を活用することをお勧めします。なお、安定的な長期運用を目指すためには、バランスよく株式、債券などの国内/外国のインデックスファンドを組み合わせることが重要であり、ファンドの安全性とコストも重要ですから、純資産額が大きく、信託報酬が低いファンドを選ぶとよいでしょう。目論見書を確認し、それぞれのファンドの実績を参考にして、期待利率に近づくようポートフォリオ(構成比率)を検討してください。一定金額を毎月購入し、分配金がある場合は再投資する設定にすることをお忘れなく。また、1年に一度程度確認し、構成比率が大きく崩れた時は、購入比率を変更するなどしてリバランスを行うとよいでしょう。

 なお、ライフプラン・シムでは、どなたでも使える「資産運用計算ツール」 をご提供しており、年金原資や年金額を求めることができます。まず、終価を求める計算で「現価」に年間積立額を入力し、「期間」と「利回り」を入力して、「計算方法」で「年金終価係数」を選択し、「終価の計算」を実行すると、積立期間後の年金原資額が求められます。次に、「現価」にこの年金原資額を入力し、年金受取りの「期間」と、受取期間中の「利回り」を入力して、「計算方法」で「資本回収係数」を選択し、「終価の計算」を実行すると、毎年の受取り年金額が求められます。実際には、ここからそれぞれの方法で税金が引かれることになります。ご自分の個人年金を計画してみてください。


REIT(リート)という不動産投資
PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

 ワンルームマンションなどを購入して家賃収入を得る不動産投資は、金融投資と比較して一般的には利回りが高いと言われます。ただし、不動産の賃貸事業には、ある程度のまとまった初期費用が必要なのと、不動産業者に管理を依頼すればある程度フリーになるとは言え、1室だと空き室になって家賃収入がなくなる可能性や、突発的に掛かる修繕費用、不動産業者や賃借人とのトラブルなど、金融投資にはないリスクがあります。そもそもどのような物件を選べばいいのかから始まって、全くの素人にはハードルが高く、特に時間の余裕が無いと踏み出せなかったりします。

 そんな不動産初心者向きの不動産投資としてREIT(リート)があります。REITは投資家のお金を集めて不動産に投資を行う投資信託で、投資法人が運用して上場するものと、信託銀行が運用するものがあります。現物の不動産投資には及ばないものの、3~4%/年程度の高い分配金利回りが期待できる特徴があります。但し、稼働率や負債の利率などの影響を受けて、分配金が増減する場合があります。また、投資家による売り買いも簡単で活発な分、投資口価格は現物の不動産そのものよりも変動するもので、元本割れを起こすこともあります。大きくは不動産市況や世界経済、金融政策等の影響も受け、これまでも株価と同程度の変動をしています。

 また、REITは色々な種類の不動産が対象になっています。例えば、賃貸オフィス、物流施設、大規模商業施設、賃貸住宅、ホテル、介護施設などを主として保有するものや、それらを組み合わせて保有するものなどがあります。選ぶ時は株式と同様、収益や当期利益、負債、稼働率の推移などの業績、需給状況、投資口価格、分配金の推移、金利や不動産市況などは十分に確認して、高値で掴まないよう注意してください。購入タイミングに自信がない時は、分割して時間をおいて購入(積立て)するのも一つの方法です。また、東証に上場のREIT全銘柄(J-REIT)の時価総額加重平均である東証REIT指数に連動したETF(上場投資信託)などもあり、若干の信託報酬は掛かりますが、3%/年程度の分配金利回りが得られますので、どのREITを選ぶのか難しい時はこのようなインデックス型のETFを選んでもよいでしょう。

 REITを売買する際には上場株式と同様の扱いとなり、購入口数単位で指値・成行注文により売買します。売買する際に手数料が掛かりますので、特に購入口数が少ない場合は、コストの安いネット証券などを利用するとよいでしょう。また、「るいとう」(株式累積投資)による購入を除いて1口単位の購入のため、投資信託のようにドルコスト平均法を期待して定額で積立てるということはできませんが、NISAで購入して分配金や譲渡益を非課税にすることは可能です。また、投資口価格が低いREITやETFであれば、分配金での再投資が比較的しやすいというメリットもあります。なお、指値・成行注文が難しい方、ドルコスト平均法で購入したい方、分配金を都度再投資したい方は、ETFより信託報酬は高くなりますが、複数のREITに投資する投資信託という選択肢もあります。

 その他、REITと株式で大きく異なる点は、確定申告して分配金を所得税の総合課税扱いにしても、配当控除は得られないことです。株式の配当金は、当期利益に法人税が課税された残りから分配されることから、二重の課税を避けるため、一定の要件を満たせば所得税の配当控除が受けられますが、REITの分配金は法人税が課税されていない収益から分配されているため、配当控除は受けられません。

 なお、本記事は、現物の不動産投資よりも手軽に始められるREITという不動産投資について説明したものであり、投稿時点での購入を勧める意図はありません。また、分配金利回りは投稿時点での概算値であり、常に保証されるものではありません。投資口価格は変動し、元本割れをする可能性があります。購入はご自分で判断してください。

 投資は、損も益も少しづつ経験しながら学んで、10年、20年かけて積み上げながら、自分に合った投資先、やり方を見つけることをお勧めします。


マイホームの売却か賃貸か
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 せっかく手に入れたマイホームですが、転勤などでやむを得ず引っ越ししなければならないこともあります。期間が限られた転勤でいずれ戻って来るのであれば、単身赴任か賃貸に出すかのどちらかでしょうが、戻って来られるか分からなかったり、すぐには戻ってこられない場合は、売却するか賃貸に出すか迷うところだと思います。そこで、そもそも賃貸に出す場合には、どの程度の不動産収入が得られ、経費がどれくらい掛かるのか、どんなリスクがあるのかなど、マンションを中心にマイホームを賃貸に出す場合の収支や注意点についてまとめてみました。

 まず、不動産の賃貸による所得は不動産所得にあたり、確定申告が必要になります。給与所得者や年金所得者、事業所得者であれば、それらの所得と合算して超過累進課税が適用されます。新たに不動産所得が増えたとしても他の所得への課税(税率)の影響はありませんが、増えた不動産所得への課税(税率)は、他の所得の金額によって影響を受けます。その不動産所得の基になる収入としては主に家賃収入と管理費収入があります。家賃などの収入を物件価格で割った比率を表面利回りと言いますが、一般的にマンションの場合は4%~10%程度です。ただし、誰も入居していない期間は収入が得られませんので、いわゆる空室率も考慮に入れる必要があります。ここでは空室率を20%として、空室率を加味した表面利回りを使うことにします。なお、物件価格の経年による下落率と比較して家賃は下がりにくいことから、表面利回りは新築物件の方が低く、中古物件の方が高くなります。また、首都圏の方が低く、地方都市の方が高い傾向があり、戸建てはマンションよりも高めになります。

 次に、マンション賃貸の経費には、共用部分の管理費、共用部分と専有部分の修繕費用、不動産業者の委託管理料、固定資産税、損害保険料などがかかります。この他、建物の減価償却費(経年による資産価値の減少分)を経費に計上することができ、収入から経費を差し引いた不動産所得に所得税・住民税が課税されます。収入から支出を差し引いた収支を物件価格で割った比率を実質利回りと言い、さらに税金を差し引いた税引後利回りは、空室率20%の条件での試算によると表面利回りの50%程度となります。例えば、表面利回りが4%であれば税引後利回りは約2%、6%であれば約3%となります。住宅ローンが残っている場合は、ローンの返済利息を経費に計上できますが、返済額の分だけ収支は悪化し、税引後利回りが低下します。

 一方、マイホームを賃貸に出している間に、通常、物件価格は経年と共に下落します。税引後利回りからこの下落率を差し引いたのが、物件価格を含めた最終利回りということになります。一般的には新築直後の下落率は大きくなりやすく、中古物件の住宅ローン控除の条件などにより、25年を超えるとまた下落するなど、築年数に対する下落率は一定ではありませんが、仮に年間平均下落率を1%と近似した場合、税引後利回りから1%を引いた値がほぼ最終利回りとなります。これがプラスであれば、売却よりも賃貸の方が有利になります。

 このように、マイホームを賃貸に出すことによって、一定の利益が期待できますが、リスクとなる部分もあります。まず、新居を購入する場合には、新たに住宅ローンを借りるなど負債が増加する可能性があります。その時点での住宅ローン残高によっては、新たに住宅ローンを借りられない可能性や、他の収入が減ったりすると返済できなくなる可能性もあります。賃貸中には、収入に関しては空室率と家賃の下落リスクが、また、借り手との間のトラブル、修繕費の増加などのリスクや、マンションの場合は管理組合の対応などもあります。物件を売却する際には、買い手がつかないあるいは物件価格の想定以上の下落などのリスクもあります。そのようなリスクと向き合い、問題が起きた場合には迅速に対処するなどの心づもりが必要です。これらが難しいようであれば、賃貸の方が金銭的なメリットがあったとしても、売却した方が無難であると考えます。他の手のかからない資産運用にも目を向けてください。

 なお、マイホームを売却すると、一時的に現金収入が増え、譲渡益(売却価格-取得費)は3,000万円まで非課税となる税金の特例が受けられるメリットもありますが、不動産売買の仲介手数料が売買価格の3%程度かかるため、その分だけ譲渡収支が減少します。

 実際の検討にあたっては、マイホームと築年数や駅からの距離、広さや向き、階数などが類似の物件の売買価格や、マイホームの購入価格と比較した下落率、家賃相場などを調べ、どの程度の最終利回りが期待されるかを概算で算出します。そして、新居はどうするか、住宅ローンはどうなるか、さらには賃貸に出す場合には何年後に売却するかなど、ご自身のライフプランと突き合わせて出口戦略も考え、賃貸に出すか売却するかを検討されるとよいでしょう。不動産を相続する場合は、時価よりも低い相続税評価額で評価され、土地についてはさらに評価減になる特例がありますので、相続税も気になる方は、そちらのメリットも考えてみてください。

 なお、ここでの試算は、考え方をご理解頂くために一定の条件、仮定の基に求めたものであり、あらゆるケースに当てはまるものではありませんので、最終的にはご自身で試算してご検討ください。


マイカーとカーシェアリングの比較
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 マイカーの購入は住宅の次に大きな買い物で、駐車場代や維持費も含めると、コンパクトカーでも年平均50万円を超える費用が掛かります。一方、利用者が増えてきているカーシェアリングは、必要な時に手軽に借りられ、利用時間に応じて料金を支払うサービスであり、短時間の利用であればガソリン代も支払う必要がありません。そこで、駐車場代や車の利用頻度などから、マイカーとカーシェアリングでどちらがお得かを実際に試算してみました。次の買い替えをどうしようか迷われている方や、家計の支出を節約したい方は参考になさってください。

 比較の条件として、コンパクトカー(1300cc程度)を10年間利用する場合とし、マイカーの場合は、購入費用を諸費用込みで200万円、ガソリン代は140円/リットル、燃費は15km/リットル、保険料は月々5,000円、車検代は1回100,000円、その他部品代として10年の間にはエンジンオイル以外にタイヤやバッテリーなども交換することを前提に平均4円/kmとしました。また、利用形態として5つの利用パターンを定義して、駐車場代と利用頻度の違いにより2つのタイプで試算しました。利用パターンと試算タイプは以下の通りです。

利用パターンの定義
①:片道30分の近距離で駐車時間は2時間(15分毎の利用料金)
②:片道1時間の中距離で駐車時間は4時間(6時間利用料金)
③:片道3時間の日帰りで駐車時間は9時間(24時間利用料金)
④:1日6時間運転の1泊2日旅行(48時間利用料金)
⑤:1日6時間運転の2泊3日旅行(72時間利用料金)

試算タイプの定義
タイプ1:駐車場代月々20,000円、利用頻度が少なく、年間5,000km程度の利用の場合
 ①週2回、②月1回、③年3回、④年2回、⑤年1回
タイプ2:駐車場代月々5,000円、利用頻度が多く、年間14,000km程度の利用の場合
 ①週2回、②月1回、③月1回、④月1回、⑤年3回

 カーシェアリングは、ある業者の料金を参考にさせて頂き、比較した結果、10年間の総額は以下の通りとなりました。マイカーもカーシェアも、やや余裕を見て試算していますので、実際にはもう少し減る可能性はあります。

タイプ1:マイカー約674万円、カーシェア約476万円(マイカー比71% ▲198万円)
タイプ2:マイカー約606万円、カーシェア約824万円(マイカー比136% +218万円)

 試算結果からは、例えば若い夫婦や子供が独立した中高年世帯などで、次のような場合にはカーシェアリングの方がお得であると考えます。
・駐車場代が高い(月額20,000円以上など)
・利用頻度が少ない、利用時間が短い(1~2回/週買物や趣味に利用など)
・遠出が少ない、走行距離が少ない
・1~2人で利用が多く小型車で十分、遠出する時は荷物や数人乗車

 逆に、マイカーの方がお得と考えられるのは、ファミリー世帯を中心に次のような場合になります。
・駐車場代が安い(月額5,000円以下など)
・利用頻度が多い(通勤や毎週レジャーに利用)
・遠出が多い、走行距離が多い
・家族みんなで乗ることが多い

 駐車場代や利用頻度によっては、どちらがお得ともいえない場合もあるため、上記を参考にしてご自分で試算して比較されるか、あまり差が無さそうでしたら、いつでも好きな時に自由に使える便利さ、初期投資を掛けずに簡単に乗れる手軽さ、などの他のメリットも比較検討されるとよいでしょう。


住宅購入時にかかる諸費用
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 人生の中で一番大きな買い物が住宅ですが、住宅そのものの金額が大きくて金銭感覚がマヒしがちですので、予算を決めてしっかりコントロールしてください。とは言っても、住宅を購入する際には、住宅の購入価格以外にも支払わなければならない費用がいくつかあります。一般的には、頭金以外に住宅の購入価格の3~10%程度(中古の方が掛かる)のお金を準備する必要があると言われていますが、その内訳を見ておきましょう。

 まず税金関係ですが、不動産取得税と、不動産登記のための登録免許税が掛かります。ここではマイホームの土地、建物の購入を前提に説明します。その他、売買契約書などには印紙税が掛かりますが、額が小さいのでここでは省略します。また、建物の価格には消費税が掛かりますが、ここでは建物価格に含めて考え、購入時の諸費用には含めません。

 まず、不動産取得税は、相続により取得した場合などの一定の場合を除き、有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されます。税額は、土地、建物の課税標準(=固定資産税評価額)の4%(令和6年3月31日までは3%の軽減税率)となります。また、土地に関しては令和6年3月31日までに取得した場合は評価額を1/2に軽減されますが、さらに、住宅用の土地については一定の条件を満たすことにより税額が軽減され、土地の面積200平米以下で、床面積が土地面積の1/2以上の場合は非課税となります。建物についても、建物の床面積などの一定の条件を満たすことにより、課税標準から最大1,200万円が控除されます。中古住宅の場合は、新耐震基準に適合していることなどの条件があり、1997年3月以前に建てられた建物の場合は、築年数に応じて控除額が減額されます。土地、建物共に、戸建てや都心などの高額な物件を除いて、標準的なマンションなどの集合住宅では、多くのケースで非課税になると考えてよいレベルです。

 次に登録免許税ですが、不動産を購入すると、所有権などの権利を第三者に対抗するために不動産登記を行います。この時に、課税標準などを基準に掛けられる税金が登録免許税で、それぞれの税率は(( )内は、土地が令和5年3月31日まで、建物が令和4年3月31日まで適用の軽減税率)、最初に登記するための所有権保存登記が課税標準の0.4%(建物:0.15%)、売買などによる所有権移転登記が2%(土地:1.5%、建物0.3%)、ローンなどの抵当権設定登記は債券金額の0.4%(0.1%)、この他、相続による所有権移転登記が課税標準の0.4%、配偶者居住権の設定登記が建物の課税標準の0.2%などとなっています。

 例えば、新築のマンションの土地、建物の課税標準がそれぞれ500万円、1,000万円の合計1,500万円であった場合、土地の所有権移転の登録免許税が1.5%の税率で7.5万円、建物の所有権保存の登録免許税が0.15%の税率で1.5万円、3,000万円のローンを組んだ場合は、抵当権設定登記の登録免許税は0.1%の税率で3万円の合計12万円となります。登記は司法書士などに依頼しますが、司法書士手数料等の費用が登記1件あたり5万円前後かかり、これらも合わせると合計27万円前後となります。なお、軽減税率や控除の適用は、これまでも延長されてきておりますので、都度確認してください。

 加えて、新築マンションの場合は、一般的に修繕積立金や管理費の一時金が必要になります。金額は部屋の大きさやマンションによって異なりますが、30万円前後というところでしょうか。他には、自治体によっては10万~20万円程度の水道加入料が掛かります。これらは、中古の場合は引き継ぎますので支払いませんが、中古の場合は不動産業者に仲介(媒介)を依頼すれば、仲介手数料が掛かります。仲介手数料(媒介報酬)は、売買代金(税抜き)400万円以上の物件の場合、売主、買主のどちらであっても、売買代金×3%+6万円が上限と定められています。売買代金4,000万円の物件であれば126万円+消費税となります。また、中古の場合は、1月1日時点での所有者が固定資産税を全額支払うため、引き渡し後の期間分の清算を行います。例えば、固定資産税が年額20万円で、7月1日から引き渡しだとすれば、日割り計算で9.9万円を買主が売主に支払うことになります。同様に、大抵の場合修繕積立金や管理費は前月末の前払いであるため、これらも日割りで清算します。

 この他に、引っ越し費用や住宅ローン手数料、火災保険料、地震保険料などの諸費用が掛かります。ここまでで、新築の場合で3%前後、中古の場合で5%前後と言うところでしょうか。さらに、オプションを追加したり、カーテン、家具、家電製品などを新調すれば、それらの購入費用や、古い家具や家電製品の引き取り、廃棄費用などが掛かります。

 なお、一般的に売買契約から引き渡しまでに一定の時間が掛かるため、売買契約時に手付金を現金で支払います。手付金は購入価格(税抜き)の20%が上限と決められていますが、一般的には5~10%程度が相場です。住宅ローンを借りる場合に、頭金を10~20%程度用意した方が良いと言われるのは、返済額の軽減と、物件価格の下落リスク対策、手付金の準備などからの理由です。したがって、税込4,200万円の新築物件であれば、頭金800万円(そのうち手付金として200万円支払い)、諸費用分200万円程度を用意し、住宅ローン3,400万円を借入などとなります。

(出典:「登録免許税の税額表」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)他を元にライフプラン・シム作成)


家財の買替費用、マンションの修繕費用
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 マンションを購入した方、あるいは購入を考えている方は、共用部分の修繕積立金や管理費については売主から金額が提示されて認識されていると思いますが、ご自身の居住部分(専有部分)のメンテナンスに何時どれくらいの費用が掛かるのか、意外とその時にならないと考えたりしないのではないでしょうか。そこで、居住部分の主なパーツについて、寿命から推定した交換サイクルと、スタンダードな参考価格(工事費含む)を整理し、その結果を基に、何年目にどの程度のメンテナンス費用が掛かるかの目安を試算してみました。なお、賃貸の方にも有益な情報となるように、家財の買替費用を分離しました。(2022/9/20 追加)

 前提は、平均的な広さである70平米、3LDK、全室フローリングの部屋に3~4人で住むことを想定し、家財には主な大型家電と、寿命が比較的短いベッドマットレス、ソファーを含めました。照明やレンジを含む小型の家電製品や、比較的寿命が長いテーブル、イス、テレビボード、デスク、本棚、チェストなどの家具は含めていません。なお、寿命はあくまでも一般的な値であり、使用頻度や使用環境によっては長くも短くもなります。また、スタンダードな参考価格もあくまでも一般的な価格帯を示すものであり、仕様・性能やデザイン性などのグレードによって価格は上下します。ご自宅の面積、人数、グレードなどに合わせて係数をかけてください。畳の場合は、寿命はフローリングより短く10~15年で「表替え」を行い、その間に一度「裏返し」を行うことから、一般的には15年で1万円/平米前後であり、フローリングより若干安くなります。

 試算結果によると、家財の買替費用は、10年目に70万円、15年目に93万円、20年目に70万円、30年目に163万円、40年目に70万円、40年間の合計は466万円となっています。マンションの修繕費用は、10年目に20万円、15年目に150万円、20年目に365万円、30年目に220万円、40年目に365万円、40年間の合計は1,120万円となっています。(2022/9/20 追加修正)これらには、部屋の間取りを変更するなどのリフォーム代は含みません。また、給排水管も25年~30年程度で寿命を迎えるため、交換する場合は50万円程度が加算されます(2021/7/15 追記)。

 ライフプランシミュレーションでは、一時的支出・繰返し支出に、例えば住居維持費として10年ごとに100万円、15年ごとに250万円、20年ごとに350万円、30年ごとに50万円などと概算を入力するか、平均化して家財買替費用を12万円/年、修繕費用を28万円/年とすればよいでしょう。本サイトのライフプランシミュレーションでは、「繰返し支出計算ツール」が計算をサポートします。(2022/9/20 修正)_これまでの経験から、サイクルをもう少し長くと考えれば、10年→12年、15年→18年、20年→24年などとすればよいでしょう。金額もグレードに合わせて何割増し、何割減などとして下さい。ただし、安いものは相応に寿命が短いことがありますので、サイクルを短くするなど考慮してください。

 通常はあまり計画を立てずに、壊れるまでとか、古くなったり汚れたら交換すると考えがちですが、例えば40年住むつもりでキッチンは20年で新しくするなら、コンロや食洗器は10年目に一度買い換えるとか、キッチンの新調に合わせて部屋の間取りを替えるリフォームを行うなど、計画的に行うと無駄が省け、気持ちもリフレッシュして過ごせたりしますので、ライフプランを見ながら一度じっくり考えてみたらいかがでしょうか。

 なお、戸建ての場合は、上記以外に、屋根や外壁の葺き替え、雨どいの交換、玄関ドアやサッシの交換、上下水道の配管の交換、金属製部分や木製部分の再塗装、庭の手入れなどの外回りのメンテナンスが加わります。


金融資産の保護制度
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 金融機関が破綻した場合でも、金融機関あたり、預金者につき最大1,000万円までの元本とその利息や、決済性口座の全額が保護される「預金保険制度」についてはよく知られていますが、証券会社や保険会社についても、破綻した場合に有価証券や保険金の一定額を上限に保護される制度があります。一定の金融資産を保有する場合は、金融機関だけでなく証券会社、保険会社も分散させることが、長期運用での安心に繋がります。なお、外貨預金は邦銀に預けても保護の対象とならず、FXも投資者保護の対象となりませんので、理解された上でご利用ください。

 表に、預金保険制度、投資者保護基金制度、保険契約者保護機構制度の特徴をまとめています。表では注意点を赤文字で示していますが、主に以下のような点があります。

・国内で営業していても外国の金融機関を保護の対象としていません(預金保険制度)。
・邦銀に預けた外貨預金は保護の対象ではありません(預金保険制度)。また、FXも保護の対象ではありません(投資者保護基金制度)。
・銀行などの金融機関で販売する投資信託は1,000万円までの保護の対象ではありません(投資者保護基金制度)。しかし、金融商品取引法により顧客資産の分別管理は義務付けられているため、通常は銀行の破綻の影響を受けません。
・生命保険会社の責任準備金は、将来支払う給付金や解約返戻金に備える積立金であり、一定の計算式に基づいて計算されるもので、給付金や解約返戻金の金額が補償されるものではありません。また、予定利率が見直されることもあり、したがって、受け取れる給付金や年金が90%以下になる場合もあります(保険契約者保護機構制度)。
・損害保険会社の場合は、保険金や満期/解約返戻金そのものを補償する仕組みで、自賠責保険、地震保険の保険金、満期/解約返戻金は100%、自動車保険、火災保険、その他損害保険、海外旅行保険などの保険金は破綻後3ヶ月間が100%でその後は80%、満期/解約返戻金は破綻後から80%、疾病・傷害保険は保険金、満期/解約返戻金とも90%(但し、高利率予定契約を除く)などとなっています。なお、保険契約が移転された場合は、予定利率の見直しなどによってこれらの割合を下回る場合があります(保険契約者保護機構制度)。

 これらの保護制度は、ネット銀行、ネット証券会社、ネット保険会社にも適用されます。

(出典:「預金保護制度」(金融庁)(https://www.fsa.go.jp/policy/payoff/index.html)他を元にライフプラン・シム作成)


分散投資サービスのコスト
拡大可

 過去に投稿した役立つコラムの「投資信託のポイント」 で、投資信託にどんなコストがかかるかについて説明し、時間を分散すること、投資先を分散することがリスクの軽減になることを説明しました。ETFや投資信託を購入する場合でも、ご自身で国内株、国内債券、外国株、外国債券ファンドにそれぞれ何%づつ、などのポートフォリオを考え、個別のファンドを購入する方法もあれば、これらのファンドを一定の割合で保有できるバランスファンドを購入する方法もあります。

 後者のバランスファンドはファンドオブファンズ方式と言う分散投資サービスの1つで、投資家の資産をバランスファンドが集め、一定の割合で個別のファンドに投資をする二階建て構造になっていることに注意が必要です。そして、個別のファンド間の評価額の変動による比率の修正(リバランス)を行うなど、その資産の管理を行うのもバランスファンドということになります。したがって、コストの面では、個別のファンドに掛かる信託報酬に加えてバランスファンドの信託報酬が0.5%程度掛かるという二重構造になっています。通常、表に見えているのはバランスファンドの信託報酬ということになります。もちろん、目論見書などには個別のファンドの情報も書かれています。

 この他に、分散投資サービスとしてファンドラップ(ラップ口座)があります。ファンドラップは、個別のファンドへの投資比率を顧客の投資指向に合わせて変えたり、外国ファンドごとに為替ヘッジを行う、行わないや、REITファンドを組入れる、入れないなどを選択することができる、カスタムメイドのバランスファンド(投資一任契約)です。人が介在しているため、ファンドラップの運用コストは1%を超えるなど高コストになっています。さらに、個別のファンドにもそれぞれ信託報酬が掛かります。年率3%のリターンを継続して出し続けるのも難しい時に、年率1%以上のコストがかかると考えるとどうでしょうか。長期間では複利で効いてきますので、差は大きくなります。

 また、ファンドラップの運用コストを捻出するためにファンドを取り崩すため、ファンド解約時の基準価額が初期投資額を下回っても課税される場合があります。その上、一定金額以上が投資の条件になっており、後から追加投資はできるものの一度に大金を投資することになり、時間分散がしにくい構造になっています。こういった点も注意が必要です。

 このような特徴から、ファンドラップは退職金を手に入れた投資初心者向けサービスと言えるかもしれませんが、最近人気がある分散投資サービスにロボットアドバイザーなどのサービスがあります。少額から始めて積立てられることや、AIを利用していること、主にコストの安いETFに投資しているのが特徴で、若い初心者をターゲットにしたものと言えます。しかし、ファンドラップに似た二階建て構造に変わりなく、人を介さない分ファンドラップよりコストはやや低いものの、高コストであることに変わりはありません。簡単な質問に答えるだけで個人個人に合った分散投資ができるとは言え、運用中にずっとかかるコストですので、コストとサービスのバランスでお考え下さい。

 分散投資サービスに掛かるコストは、ご自分で直接ETFや投資信託に投資をすれば掛からなくて済むコストと言えます。それぞれのファンドやサービスの特徴、メリット、デメリットをよく理解した上で少額から始め、時間をかけて損も益も経験しながら、ご自分に合った投資の方法を見つけることをお勧めします。なお、ここに記載したコストの値は、現時点での一般的な値を示しており、実際のサービスのコストをよくお確かめください。


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