役立つコラムに新しい記事「自己都合退職でも教育訓練の受講で失業手当がすぐにもらえる」を投稿しました。失業手当には、自己都合退職の場合に2ヶ月間の給付制限がありましたが、これが1ヶ月に短縮されるとともに、教育訓練を受講すると最短ではゼロになります。詳しくは記事をお読みください。
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環境省の調べによると、家庭の電気使用量の中に占める割合が最も高い順に冷蔵庫が約16%、照明が約14%にもなるそうです(2013年調べ)。世帯当たりの年間平均電気使用量は4322kWh、料金にして約106,000円です(2017年調べ)。このうち照明と冷蔵庫で31,800円にもなります。
まず冷蔵庫ですが、容量によって年間消費電力量は異なりますが、資源エネルギー庁の調べによると、容量401L~450Lのクラスでは、2009年販売の冷蔵庫(490~550kWh/年)と比較して、2019年販売の冷蔵庫(293kWh/年)では40%~47%の省エネになるとのことです(カタログ値ベース)。これより容量の大きい451L~500Lも含めて、ハイエンドモデルと言われる売れ筋製品であり、価格帯は高めになりますが、最新テクノロジーが投入されるため省エネ度も高くなっています。仮に、200kWh/年の節電になると約5,000円/年の節約になり、15年で75,000円の節約になります(実際の節電量は、冷蔵庫の設置状況、利用状況などに寄ります)。CO2削減量でいうと、200kWh×0.445kg/kWh=89kg/年の貢献になります。10年~15年以上経った冷蔵庫があるご家庭は、まず現在の冷蔵庫の年間消費電力量を調べてみると良いと思います。ドアの内側などに記載されていると思います。
次に照明ですが、照明全体で見るとLED化率は50%程度と推定されるとのことで、現時点で既に白熱電球を新規購入できませんが、ダウンライトを始めとする家庭の白熱電球を積極的にLED電球に置き換えることで、どの程度の節電になるか試算してみました。照明のワット数は大抵の場合、白熱電球で40W形(消費電力36W)、60W形(54W)、100W形(90W)のどれかだと思いますが、これをLED化すると消費電力はおよそ1/6となり、それぞれ約6W、約9W、約15W程度となります(最近では1/10程度となるLED電球が主流になっており、さらに節電効果が期待されます 2021/9/21追記)。最も長い時間点灯するリビングの場合、仮に60W×3個の照明を年間3,000時間(8.2時間/日相当)点灯すると仮定すると、年間消費電力量は白熱電球で486kWh/年、LED電球で81kWh/年となり、年間405kWh/年の節電、約10,000円/年の節約になります。CO2換算では184kg/年の削減になります。廊下のダウンライトや、風呂、トイレ、洗面所などの使用時間は年間平均200時間(0.5時間/日相当)、これらも全て60W形で合計10個の照明があると仮定すると、白熱電球で108kWh/年、LED電球で18kWh/年となり、年間で90kWh/年の節電、約2,300円/年の節約になります(2021/9/15 400時間→200時間に見直して再計算しました)。合計すると、495kWh/年の節電、約12,400円/年の節約になり、225kg/年のCO2削減になります。平均しても電球1個当たり950円/年程度の電気料金の節約になりますので、LED電球代は2年もあれば回収できる計算になります。
実際には、リビングの照明は既に電球型蛍光灯になっているご家庭も多いと思いますが、その場合はLED化によって消費電力は3/4~2/3になります。蛍光灯型電球で108kWh/年ですから、LED化により27kWh/年の節電、約700円/年の節約、12kg/年のCO2削減になり、他の白熱電球と合計すると、117kWh/年の節電、約3,000円/年の節約、53kg/年のCO2削減になります。
最近は、一般的なシリカ電球だけでなく、ミニクリプトン電球、シャンデリア電球、ハロゲン電球など、様々なタイプのLED電球が販売されており、いろいろな箇所の照明をLED化できるようになってきています。ただし、LED電球によってはダウンライトなど、熱がこもる環境では使用できないものがありますので、よく確認して選んでください。また、白熱電球に似た「電球色」を選んでも、照度や色味、光の拡散の仕方などがメーカーやタイプによっても異なり、雰囲気が変わりますので、実際にお店の展示で比較して、一度に購入せずに少しづつ試してみながら、使用頻度の高い照明から順にLED化を進めるとよいでしょう。ただし、調光器対応のLEDであっても、光量を下げるとたまに”ちらつき”が気になる場合があります(メーカにもよる)ので、失敗したくない方は最初から調光機能付きLED照明器具への交換を検討された方がよいかもしれません(2021/9/27 一文追加)。なお、LED電球の寿命は40,000時間と言われており、年間3,000時間使用する箇所で13年程度、200時間使用する箇所ではLED以外の部分が劣化して故障するまでは気にせず使えることになりますので、電球の交換も少なくなります。
(出典元:「機器の買換で省エネ節約」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/)他を元にライフプラン・シム作成)
自動車は、環境への影響と言う点では身近な存在で、自動車メーカー各社ともガソリンエンジンの燃費向上、ダウンサイジング化、ディーゼルエンジン化、モーターとのハイブリッド化、そしてEV化へと進化してきました。日本でも2030年半ばには、新車の100%を電動車にする方針が掲げられ、大きな変化を感じる時が近づいています。ここでは家計的な観点から、これらの動力の違いによる燃料代の差について試算してみました。
燃料代の差は走行距離に比例して増えていきます。そこで、1台の車に乗り続ける間の総走行距離によって、燃料代がどの程度違うかを比較してみました。動力の違いにより、使う燃料の小売単価や燃費(電費)が異なることから、まず現在の小売単価(資源エネルギー庁資料から引用)と一般的な燃費(電費)の値から、距離単価(円/km)を比較しています。距離単価でみるとEV<ハイブリッド<ディーゼル<ガソリンの順になりました。従って、総走行距離での燃料代もこの順に増えていきます。下の表は、ガソリン車を基準として、総走行距離によりどれだけ燃料代が節約できるかを示しています。ただし、燃費も自動車メーカーや動力の出力によっても異なり、すべてのケースに当てはまるわけではありませんので、一つの目安としてお考え下さい。また、電気については昼間の電気料金の平均値を適用しており、夜間電力は約半分になりますが、EV充電スタンドなどを利用する場合は別に基本料金などが必要になるため、利用状況によって変動があります。ご自分が買いたいと思われている車の燃費や充電料金などの値を当てはめて計算されても良いでしょう。
一方、ディーゼルエンジンの搭載やモーターとのハイブリッド化、さらにはEV化によって、自動車の車両価格も異なってきます。もちろん、動力性能や内装、装備のグレードの違いや、走行時のCO2削減量の違いなどもあり、単純には比較できませんが、ガソリン車からの車両価格のアップと、燃料代の節約額、EV補助金などとの比較で、納得感が得られるかの参考になるかと思います。
また、走行時のCO2排出量については燃費から計算でき、上記で用いた一般的な燃費を適用すると、ガソリン車で129g/km、ハイブリッド車で86g/km、ディーゼル車で117g/km(ガソリンは2.32(kg/l)/燃費、ディーゼルは2.58(kg/l)/燃費で計算)、EVはゼロとなり、距離単価と同じ順序になります。なお、走行時だけでなく、自動車や燃料/電気を生産する際や輸送などで発生するCO2も加味した、LCA(ライフサイクル・アセスメント)で評価するという考え方もあります。現時点では、自動車のライフサイクルトータルで発生するCO2が、総走行距離が少ないと、EVやハイブリッド車はガソリン車よりも多いという現実もあるようですので、そのあたりも色々調べて考えてみるのもよいでしょう。技術のブレークスルーや量産効果によってEVの車両価格やLCAでのCO2排出量が下がる日もそう遠くないかもしれません。
そろそろマイホームが欲しいと思った時に、まず始めに自分はいくらくらいの物件が買えるのだろうかと考えると思います。それが分かれば、自分が住みたい沿線のどのあたりの駅になるか、駅からの時間は、・・・と言うように具体的な物件探しに進むことができます。殆どの方が生まれて初めて住宅ローンを借りて購入すると思いますが、住宅ローンを無理なく返せるかということが最も気になると思いますので、そのあたりを中心に考えてみましょう。
マイホームが欲しいと思う方は、大抵の場合、賃貸住宅に住んでいると思います。会社の社宅に住まわれている方も、住宅補助がある方も、家賃を支払っていると思います。まず知ることが重要なのは、現在、家賃をいくら支払っており、住宅購入のために月々いくら積立てられているか、今までにいくら積立てられたか、その結果として余裕がどれくらいあるかということです。ここで余裕とは、特に使い道が決まっておらず月々貯蓄に回している金額と、実際に蓄えた使い道の決まっていない貯蓄額です。これらは現在の生活に基づいた実績ですから、これらを基準に考えることが無理なくマイホームを購入するための最も確実な方法です。とは言え、家族がいる場合は年と共に支出額も変化し、収入も変化します。この変化が激しい時期が過ぎて、子供の大学教育費を学資保険や積立てで確保しつつ、将来に渡って生活費が見通せる時期に来れば、住宅ローンの返済リスクも少なくなりますが、特に変化が激しい時期にマイホームを購入する場合は、ライフプランシミュレーションをして、どの程度のリスクがあるか確認することをお勧めします。
そして具体的には、前述の家賃+住宅購入のための積立て額は住宅ローンに回すことができます。この金額をここでは「住宅ローン返済限度額」と言うことにします。住宅関係でも、光熱費や火災保険料などはマイホームでも掛かるため、住宅ローンの支払には回せません。しかも現在よりも広い住宅を購入する場合は、光熱費や火災保険料は増えますし、地震保険や家財にも新たに保険を掛ける場合はさらに増えます。また、管理費だけでなく、マンションの場合は修繕積立金が掛かりますし、戸建ての場合は自分で修繕費を積立てなければならないため、これらの分も考慮する必要があります。車を持っている場合は、駐車場代が現在より上がる場合もあるでしょう。このあたりは、余裕分として貯蓄している金額から回せますが、それができない場合は、住宅ローン返済限度額を減らしたり、車の所有をあきらめなければなりません。逆に、余裕分から回しても残る場合は、住宅ローン返済限度額を増やすこともできます。どこまで増やすかは自由ですが、増やし過ぎるとリスクになりますので、あまり無理をしないことです。気になる場合は、ライフプランシミュレーションで確認するとよいでしょう。なお、ボーナスは景気の影響を受けやすいため、含めて考えないことをお勧めします。
住宅ローン返済限度額、返済期間、利率が分かると、住宅ローンとして借りられる元本が「資産運用ローン計算ツール」 で求められます。「現価を求める計算」を使用し、返済期間と金利を入力し、計算方法として「年金現価係数」を選択し、「終価」に返済額(年額)を入力して「現価の計算」を実行してください(2023/2/24 修正)。ここで、返済期間は、まずは退職予定年齢を超えないように設定してください。例えば現在40歳で、退職予定年齢が65歳と考えるなら、ローン返済期間は長くても25年と考えてください。それ以上に設定する場合は、ライフプランシミュレーションを行い、老後に資金不足にならないか確認することをお勧めします。そして、住宅購入のために使える貯蓄額と、住宅ローン元金を加えた金額が、住宅購入資金となります。ここで、貯蓄が頭金になりますので、諸費用も考えると住宅購入資金の20%以上が貯蓄となることが望ましいでしょう。さらに、余裕分として貯まった貯蓄からも回せますが、最低でも収入なしで6ヶ月程度暮らせる金額は残してください。
マイホームの購入には、物件価格の他に、一般的に物件価格の3~10%の諸費用が掛かります(詳細は役立つコラムの「住宅購入時にかかる諸費用」 を参照してください)。住宅購入資金から諸費用を除いた分が購入可能な物件価格となります。この物件価格を基に物件を探しても納得の行く物件が見つからない場合は、住宅購入資金がどの程度増やせるか、余裕資金から回せるか、生活費を切り詰められるか、返済期間を伸ばせるか、などを検討することになります。くれぐれも無理な設定はしないようにしてください。生活費を切り詰める場合は、実際に先に切り詰めて、住宅購入用の積立て額を無理なく増やせるか、確認することをお勧めします。
住宅ローンの借入限度額などから給与の何%以下とか、給与の何倍までの物件なら購入できるとか言われますが、現在の生活レベルから借りられる限度額を求めた方が実感がわくと思います。また、若いと収入自体もまだ少ないため、納得のいく物件が見つからないこともあるでしょう。親から支援が得られるなどを除いて、あまり無理をして早くからマイホームに拘らず、特に変化の激しい時は賃貸住宅で柔軟に暮らし、将来がある程度見通せるタイミングを待つことも考えてみたらどうでしょうか。マンションや戸建てにも耐用年数があり、長く住むと補強やリフォーム、建替え、あるいは住み替えなども考えなければなりません。そういったことも頭の片隅に入れて、買うタイミングを考えてみてください。
保険商品に個人年金保険がありますが、若いうちに積立てて置き、定年退職後に一定額を年金で受け取るタイプの保険です。受取年金額と受取期間が確定した「確定年金」などの一定の要件のもと、所得税の課税所得から最大で4万円(住民税は最大で2.8万円)の保険料控除が受けられます。例えば、年間36万円の保険料を20年間支払う場合で、所得税の税率が20%の人は、4万円×所得税20%+2.8万円×住民税10%=10,800円/年の税金が減額され、20年間で21.6万円の保険料軽減になります。一方、年金受取時には年金額×(1-保険料総額/年金総額)=運用益を雑所得に合算して、所得税、住民税が課税されます。また、確定年金の場合、年金受取期間中に本人が死亡しても遺族が受け取ることができます。このような特徴がありますが、昔と比べて個人年金保険の予定利率が低下しており、保険料が割高に感じられる場合もあるかもしれません。
そこで、個人年金の選択肢として、iDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISA(2024年以降に始める場合は、新NISAのつみたて投資枠(2023/12/6 追記))を個人年金保険と比較し、その特徴を整理してみました。これらは、個人年金保険と異なり、利率は選択したファンドの成績に依存し、保証されないため、将来の受取年金額が確定しないものの、選択するファンドによっては、個人年金保険を超える利率も期待できます。
表に、それぞれの個人年金の具体的な計算例を記載しています。毎月3万円づつ20年間積立て(元金720万円)、期待利率を3%(但し、運用コストをそれぞれ0.5%と仮定)とした場合の、個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAの3つの個人年金を比較しています。但し、この計算例は、あくまでもイメージを掴んでいただくためのもので、条件等は仮定の値であり、実際の商品を当てはめたものではなく、個人個人の所得状況によっても異なりますので、ご了解ください。
まず、個人年金保険は、年金額が確定していて、将来の計画が立てやすいメリットがありますが、契約で受取開始時期が決まっており、早期に解約すると、解約返戻金が払い込み保険料を下回る場合があります。また、前述の通り、受取年金額が確定している分、予定利率は若干低めに設定されており、この例のような高予定利率の円建て個人年期保険は、現在ではなかなか期待できません。運用結果によって受取額が増減する変額個人年金保険や、円建てより予定利率が高い外貨建て個人年金保険などのリスクのある個人年金保険もありますが、ここでは、課税や所得控除などの基本的な違いを比較するために、円建ての個人年金保険を代表とし、比較することにします。
iDeCoは、掛金に上限(企業年金、企業型確定拠出年金を実施していない会社員で月額2.3万円など)があるものの、掛金は社会保険料として全額所得控除されるため、実質的に保険料を下げるメリットがあります。また、運用中は非課税であるため、税引後返戻率(税引後年金総額/(積立総額-節税総額))で見ても、最も効率が良いと言えます。但し、60歳以上にならないと受取れない制限があり、また受取時には全額が雑所得とみなされます。このため、他の公的年金と合算して年金控除の対象となるものの、それを超える分は課税所得になることから、他の公的年金が年金控除額を既に上回っている場合、iDeCoで受け取る年金は全額課税対象となります。さらに、他の所得との合算額が多いと税率も上がります。また、計算には含みませんが、課税所得が増える分、社会保険料も増加し、70歳以上の場合には、医療費や介護費用の自己負担割合の増加に繋がる可能性もありますので、年金受取り時期には注意してください。定年退職後、公的年金を受け取るまでのつなぎの収入、あるいは自営業などで公的年金受給額が少ない場合に適していると考えられます(2021/11/9 一部加筆)。
つみたてNISAは、現状では2042年まで新規購入が可能な制度となっており、積立額が年間40万円に制限されますが、運用益が非課税(購入から20年間での運用益は、20年後以降も非課税)になることで、年金額を上積みすることができます。つまり、遅くとも2023年から始めれば、最大20年間非課税で積立てられ、最大20年間非課税で運用しながら年金を受け取ることができます。2024年以降、新NISAのつみたて投資枠に制度変更になります。新NISAのつみたて投資枠を利用すれば、非課税期間は無期限、積立額が年間最大120万円、通算で1,800万円まで積み立てることができます。運用しながらの年金の受け取りも無期限で運用益が非課税になります。受取った年金も非課税のため、社会保険料も増加しません。また、急にお金が必要になったとしても、年齢にかかわらずいつでも取り崩すことができます。なお、これまでのつみたてNISAは、2024年以降は新規購入ができませんが、購入時から20年間はそのまま非課税で保有でき、売却も可能です。(2023/12/6 下線部加筆修正)。
以上の特徴と、他の公的年金額や所得、必要な個人年金額などを考慮して、どの実現方法が自分に合っているか、比較検討されると良いと思います。個人年期保険と異なり、iDeCoでもつみたてNISAでも、長期の積立て運用は比較的安定であるとは言え、元本割れのリスクも全く無いわけではありません。基礎的な生活費は終身年金である公的年金や、他の所得で賄い、健康寿命を謳歌するための余裕資金などとして個人年金を活用することをお勧めします。なお、安定的な長期運用を目指すためには、バランスよく株式、債券などの国内/外国のインデックスファンドを組み合わせることが重要であり、ファンドの安全性とコストも重要ですから、純資産額が大きく、信託報酬が低いファンドを選ぶとよいでしょう。目論見書を確認し、それぞれのファンドの実績を参考にして、期待利率に近づくようポートフォリオ(構成比率)を検討してください。一定金額を毎月購入し、分配金がある場合は再投資する設定にすることをお忘れなく。また、1年に一度程度確認し、構成比率が大きく崩れた時は、購入比率を変更するなどしてリバランスを行うとよいでしょう。
なお、ライフプラン・シムでは、どなたでも使える「資産運用計算ツール」 をご提供しており、年金原資や年金額を求めることができます。まず、終価を求める計算で「現価」に年間積立額を入力し、「期間」と「利回り」を入力して、「計算方法」で「年金終価係数」を選択し、「終価の計算」を実行すると、積立期間後の年金原資額が求められます。次に、「現価」にこの年金原資額を入力し、年金受取りの「期間」と、受取期間中の「利回り」を入力して、「計算方法」で「資本回収係数」を選択し、「終価の計算」を実行すると、毎年の受取り年金額が求められます。実際には、ここからそれぞれの方法で税金が引かれることになります。ご自分の個人年金を計画してみてください。
ワンルームマンションなどを購入して家賃収入を得る不動産投資は、金融投資と比較して一般的には利回りが高いと言われます。ただし、不動産の賃貸事業には、ある程度のまとまった初期費用が必要なのと、不動産業者に管理を依頼すればある程度フリーになるとは言え、1室だと空き室になって家賃収入がなくなる可能性や、突発的に掛かる修繕費用、不動産業者や賃借人とのトラブルなど、金融投資にはないリスクがあります。そもそもどのような物件を選べばいいのかから始まって、全くの素人にはハードルが高く、特に時間の余裕が無いと踏み出せなかったりします。
そんな不動産初心者向きの不動産投資としてREIT(リート)があります。REITは投資家のお金を集めて不動産に投資を行う投資信託で、投資法人が運用して上場するものと、信託銀行が運用するものがあります。現物の不動産投資には及ばないものの、3~4%/年程度の高い分配金利回りが期待できる特徴があります。但し、稼働率や負債の利率などの影響を受けて、分配金が増減する場合があります。また、投資家による売り買いも簡単で活発な分、投資口価格は現物の不動産そのものよりも変動するもので、元本割れを起こすこともあります。大きくは不動産市況や世界経済、金融政策等の影響も受け、これまでも株価と同程度の変動をしています。
また、REITは色々な種類の不動産が対象になっています。例えば、賃貸オフィス、物流施設、大規模商業施設、賃貸住宅、ホテル、介護施設などを主として保有するものや、それらを組み合わせて保有するものなどがあります。選ぶ時は株式と同様、収益や当期利益、負債、稼働率の推移などの業績、需給状況、投資口価格、分配金の推移、金利や不動産市況などは十分に確認して、高値で掴まないよう注意してください。購入タイミングに自信がない時は、分割して時間をおいて購入(積立て)するのも一つの方法です。また、東証に上場のREIT全銘柄(J-REIT)の時価総額加重平均である東証REIT指数に連動したETF(上場投資信託)などもあり、若干の信託報酬は掛かりますが、3%/年程度の分配金利回りが得られますので、どのREITを選ぶのか難しい時はこのようなインデックス型のETFを選んでもよいでしょう。
REITを売買する際には上場株式と同様の扱いとなり、購入口数単位で指値・成行注文により売買します。売買する際に手数料が掛かりますので、特に購入口数が少ない場合は、コストの安いネット証券などを利用するとよいでしょう。また、「るいとう」(株式累積投資)による購入を除いて1口単位の購入のため、投資信託のようにドルコスト平均法を期待して定額で積立てるということはできませんが、NISAで購入して分配金や譲渡益を非課税にすることは可能です。また、投資口価格が低いREITやETFであれば、分配金での再投資が比較的しやすいというメリットもあります。なお、指値・成行注文が難しい方、ドルコスト平均法で購入したい方、分配金を都度再投資したい方は、ETFより信託報酬は高くなりますが、複数のREITに投資する投資信託という選択肢もあります。
その他、REITと株式で大きく異なる点は、確定申告して分配金を所得税の総合課税扱いにしても、配当控除は得られないことです。株式の配当金は、当期利益に法人税が課税された残りから分配されることから、二重の課税を避けるため、一定の要件を満たせば所得税の配当控除が受けられますが、REITの分配金は法人税が課税されていない収益から分配されているため、配当控除は受けられません。
なお、本記事は、現物の不動産投資よりも手軽に始められるREITという不動産投資について説明したものであり、投稿時点での購入を勧める意図はありません。また、分配金利回りは投稿時点での概算値であり、常に保証されるものではありません。投資口価格は変動し、元本割れをする可能性があります。購入はご自分で判断してください。
投資は、損も益も少しづつ経験しながら学んで、10年、20年かけて積み上げながら、自分に合った投資先、やり方を見つけることをお勧めします。
せっかく手に入れたマイホームですが、転勤などでやむを得ず引っ越ししなければならないこともあります。期間が限られた転勤でいずれ戻って来るのであれば、単身赴任か賃貸に出すかのどちらかでしょうが、戻って来られるか分からなかったり、すぐには戻ってこられない場合は、売却するか賃貸に出すか迷うところだと思います。そこで、そもそも賃貸に出す場合には、どの程度の不動産収入が得られ、経費がどれくらい掛かるのか、どんなリスクがあるのかなど、マンションを中心にマイホームを賃貸に出す場合の収支や注意点についてまとめてみました。
まず、不動産の賃貸による所得は不動産所得にあたり、確定申告が必要になります。給与所得者や年金所得者、事業所得者であれば、それらの所得と合算して超過累進課税が適用されます。新たに不動産所得が増えたとしても他の所得への課税(税率)の影響はありませんが、増えた不動産所得への課税(税率)は、他の所得の金額によって影響を受けます。その不動産所得の基になる収入としては主に家賃収入と管理費収入があります。家賃などの収入を物件価格で割った比率を表面利回りと言いますが、一般的にマンションの場合は4%~10%程度です。ただし、誰も入居していない期間は収入が得られませんので、いわゆる空室率も考慮に入れる必要があります。ここでは空室率を20%として、空室率を加味した表面利回りを使うことにします。なお、物件価格の経年による下落率と比較して家賃は下がりにくいことから、表面利回りは新築物件の方が低く、中古物件の方が高くなります。また、首都圏の方が低く、地方都市の方が高い傾向があり、戸建てはマンションよりも高めになります。
次に、マンション賃貸の経費には、共用部分の管理費、共用部分と専有部分の修繕費用、不動産業者の委託管理料、固定資産税、損害保険料などがかかります。この他、建物の減価償却費(経年による資産価値の減少分)を経費に計上することができ、収入から経費を差し引いた不動産所得に所得税・住民税が課税されます。収入から支出を差し引いた収支を物件価格で割った比率を実質利回りと言い、さらに税金を差し引いた税引後利回りは、空室率20%の条件での試算によると表面利回りの50%程度となります。例えば、表面利回りが4%であれば税引後利回りは約2%、6%であれば約3%となります。住宅ローンが残っている場合は、ローンの返済利息を経費に計上できますが、返済額の分だけ収支は悪化し、税引後利回りが低下します。
一方、マイホームを賃貸に出している間に、通常、物件価格は経年と共に下落します。税引後利回りからこの下落率を差し引いたのが、物件価格を含めた最終利回りということになります。一般的には新築直後の下落率は大きくなりやすく、中古物件の住宅ローン控除の条件などにより、25年を超えるとまた下落するなど、築年数に対する下落率は一定ではありませんが、仮に年間平均下落率を1%と近似した場合、税引後利回りから1%を引いた値がほぼ最終利回りとなります。これがプラスであれば、売却よりも賃貸の方が有利になります。
このように、マイホームを賃貸に出すことによって、一定の利益が期待できますが、リスクとなる部分もあります。まず、新居を購入する場合には、新たに住宅ローンを借りるなど負債が増加する可能性があります。その時点での住宅ローン残高によっては、新たに住宅ローンを借りられない可能性や、他の収入が減ったりすると返済できなくなる可能性もあります。賃貸中には、収入に関しては空室率と家賃の下落リスクが、また、借り手との間のトラブル、修繕費の増加などのリスクや、マンションの場合は管理組合の対応などもあります。物件を売却する際には、買い手がつかないあるいは物件価格の想定以上の下落などのリスクもあります。そのようなリスクと向き合い、問題が起きた場合には迅速に対処するなどの心づもりが必要です。これらが難しいようであれば、賃貸の方が金銭的なメリットがあったとしても、売却した方が無難であると考えます。他の手のかからない資産運用にも目を向けてください。
なお、マイホームを売却すると、一時的に現金収入が増え、譲渡益(売却価格-取得費)は3,000万円まで非課税となる税金の特例が受けられるメリットもありますが、不動産売買の仲介手数料が売買価格の3%程度かかるため、その分だけ譲渡収支が減少します。
実際の検討にあたっては、マイホームと築年数や駅からの距離、広さや向き、階数などが類似の物件の売買価格や、マイホームの購入価格と比較した下落率、家賃相場などを調べ、どの程度の最終利回りが期待されるかを概算で算出します。そして、新居はどうするか、住宅ローンはどうなるか、さらには賃貸に出す場合には何年後に売却するかなど、ご自身のライフプランと突き合わせて出口戦略も考え、賃貸に出すか売却するかを検討されるとよいでしょう。不動産を相続する場合は、時価よりも低い相続税評価額で評価され、土地についてはさらに評価減になる特例がありますので、相続税も気になる方は、そちらのメリットも考えてみてください。
なお、ここでの試算は、考え方をご理解頂くために一定の条件、仮定の基に求めたものであり、あらゆるケースに当てはまるものではありませんので、最終的にはご自身で試算してご検討ください。
マイカーの購入は住宅の次に大きな買い物で、駐車場代や維持費も含めると、コンパクトカーでも年平均50万円を超える費用が掛かります。一方、利用者が増えてきているカーシェアリングは、必要な時に手軽に借りられ、利用時間に応じて料金を支払うサービスであり、短時間の利用であればガソリン代も支払う必要がありません。そこで、駐車場代や車の利用頻度などから、マイカーとカーシェアリングでどちらがお得かを実際に試算してみました。次の買い替えをどうしようか迷われている方や、家計の支出を節約したい方は参考になさってください。
比較の条件として、コンパクトカー(1300cc程度)を10年間利用する場合とし、マイカーの場合は、購入費用を諸費用込みで200万円、ガソリン代は140円/リットル、燃費は15km/リットル、保険料は月々5,000円、車検代は1回100,000円、その他部品代として10年の間にはエンジンオイル以外にタイヤやバッテリーなども交換することを前提に平均4円/kmとしました。また、利用形態として5つの利用パターンを定義して、駐車場代と利用頻度の違いにより2つのタイプで試算しました。利用パターンと試算タイプは以下の通りです。
利用パターンの定義
①:片道30分の近距離で駐車時間は2時間(15分毎の利用料金)
②:片道1時間の中距離で駐車時間は4時間(6時間利用料金)
③:片道3時間の日帰りで駐車時間は9時間(24時間利用料金)
④:1日6時間運転の1泊2日旅行(48時間利用料金)
⑤:1日6時間運転の2泊3日旅行(72時間利用料金)
試算タイプの定義
タイプ1:駐車場代月々20,000円、利用頻度が少なく、年間5,000km程度の利用の場合
①週2回、②月1回、③年3回、④年2回、⑤年1回
タイプ2:駐車場代月々5,000円、利用頻度が多く、年間14,000km程度の利用の場合
①週2回、②月1回、③月1回、④月1回、⑤年3回
カーシェアリングは、ある業者の料金を参考にさせて頂き、比較した結果、10年間の総額は以下の通りとなりました。マイカーもカーシェアも、やや余裕を見て試算していますので、実際にはもう少し減る可能性はあります。
タイプ1:マイカー約674万円、カーシェア約476万円(マイカー比71% ▲198万円)
タイプ2:マイカー約606万円、カーシェア約824万円(マイカー比136% +218万円)
試算結果からは、例えば若い夫婦や子供が独立した中高年世帯などで、次のような場合にはカーシェアリングの方がお得であると考えます。
・駐車場代が高い(月額20,000円以上など)
・利用頻度が少ない、利用時間が短い(1~2回/週買物や趣味に利用など)
・遠出が少ない、走行距離が少ない
・1~2人で利用が多く小型車で十分、遠出する時は荷物や数人乗車
逆に、マイカーの方がお得と考えられるのは、ファミリー世帯を中心に次のような場合になります。
・駐車場代が安い(月額5,000円以下など)
・利用頻度が多い(通勤や毎週レジャーに利用)
・遠出が多い、走行距離が多い
・家族みんなで乗ることが多い
駐車場代や利用頻度によっては、どちらがお得ともいえない場合もあるため、上記を参考にしてご自分で試算して比較されるか、あまり差が無さそうでしたら、いつでも好きな時に自由に使える便利さ、初期投資を掛けずに簡単に乗れる手軽さ、などの他のメリットも比較検討されるとよいでしょう。
人生の中で一番大きな買い物が住宅ですが、住宅そのものの金額が大きくて金銭感覚がマヒしがちですので、予算を決めてしっかりコントロールしてください。とは言っても、住宅を購入する際には、住宅の購入価格以外にも支払わなければならない費用がいくつかあります。一般的には、頭金以外に住宅の購入価格の3~10%程度(中古の方が掛かる)のお金を準備する必要があると言われていますが、その内訳を見ておきましょう。
まず税金関係ですが、不動産取得税と、不動産登記のための登録免許税が掛かります。ここではマイホームの土地、建物の購入を前提に説明します。その他、売買契約書などには印紙税が掛かりますが、額が小さいのでここでは省略します。また、建物の価格には消費税が掛かりますが、ここでは建物価格に含めて考え、購入時の諸費用には含めません。
まず、不動産取得税は、相続により取得した場合などの一定の場合を除き、有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されます。税額は、土地、建物の課税標準(=固定資産税評価額)の4%(令和6年3月31日までは3%の軽減税率)となります。また、土地に関しては令和6年3月31日までに取得した場合は評価額を1/2に軽減されますが、さらに、住宅用の土地については一定の条件を満たすことにより税額が軽減され、土地の面積200平米以下で、床面積が土地面積の1/2以上の場合は非課税となります。建物についても、建物の床面積などの一定の条件を満たすことにより、課税標準から最大1,200万円が控除されます。中古住宅の場合は、新耐震基準に適合していることなどの条件があり、1997年3月以前に建てられた建物の場合は、築年数に応じて控除額が減額されます。土地、建物共に、戸建てや都心などの高額な物件を除いて、標準的なマンションなどの集合住宅では、多くのケースで非課税になると考えてよいレベルです。
次に登録免許税ですが、不動産を購入すると、所有権などの権利を第三者に対抗するために不動産登記を行います。この時に、課税標準などを基準に掛けられる税金が登録免許税で、それぞれの税率は(( )内は、土地が令和5年3月31日まで、建物が令和4年3月31日まで適用の軽減税率)、最初に登記するための所有権保存登記が課税標準の0.4%(建物:0.15%)、売買などによる所有権移転登記が2%(土地:1.5%、建物0.3%)、ローンなどの抵当権設定登記は債券金額の0.4%(0.1%)、この他、相続による所有権移転登記が課税標準の0.4%、配偶者居住権の設定登記が建物の課税標準の0.2%などとなっています。
例えば、新築のマンションの土地、建物の課税標準がそれぞれ500万円、1,000万円の合計1,500万円であった場合、土地の所有権移転の登録免許税が1.5%の税率で7.5万円、建物の所有権保存の登録免許税が0.15%の税率で1.5万円、3,000万円のローンを組んだ場合は、抵当権設定登記の登録免許税は0.1%の税率で3万円の合計12万円となります。登記は司法書士などに依頼しますが、司法書士手数料等の費用が登記1件あたり5万円前後かかり、これらも合わせると合計27万円前後となります。なお、軽減税率や控除の適用は、これまでも延長されてきておりますので、都度確認してください。
加えて、新築マンションの場合は、一般的に修繕積立金や管理費の一時金が必要になります。金額は部屋の大きさやマンションによって異なりますが、30万円前後というところでしょうか。他には、自治体によっては10万~20万円程度の水道加入料が掛かります。これらは、中古の場合は引き継ぎますので支払いませんが、中古の場合は不動産業者に仲介(媒介)を依頼すれば、仲介手数料が掛かります。仲介手数料(媒介報酬)は、売買代金(税抜き)400万円以上の物件の場合、売主、買主のどちらであっても、売買代金×3%+6万円が上限と定められています。売買代金4,000万円の物件であれば126万円+消費税となります。また、中古の場合は、1月1日時点での所有者が固定資産税を全額支払うため、引き渡し後の期間分の清算を行います。例えば、固定資産税が年額20万円で、7月1日から引き渡しだとすれば、日割り計算で9.9万円を買主が売主に支払うことになります。同様に、大抵の場合修繕積立金や管理費は前月末の前払いであるため、これらも日割りで清算します。
この他に、引っ越し費用や住宅ローン手数料、火災保険料、地震保険料などの諸費用が掛かります。ここまでで、新築の場合で3%前後、中古の場合で5%前後と言うところでしょうか。さらに、オプションを追加したり、カーテン、家具、家電製品などを新調すれば、それらの購入費用や、古い家具や家電製品の引き取り、廃棄費用などが掛かります。
なお、一般的に売買契約から引き渡しまでに一定の時間が掛かるため、売買契約時に手付金を現金で支払います。手付金は購入価格(税抜き)の20%が上限と決められていますが、一般的には5~10%程度が相場です。住宅ローンを借りる場合に、頭金を10~20%程度用意した方が良いと言われるのは、返済額の軽減と、物件価格の下落リスク対策、手付金の準備などからの理由です。したがって、税込4,200万円の新築物件であれば、頭金800万円(そのうち手付金として200万円支払い)、諸費用分200万円程度を用意し、住宅ローン3,400万円を借入などとなります。
(出典:「登録免許税の税額表」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)他を元にライフプラン・シム作成)
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