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配偶者の年収の壁


 2023/03/01

 [ライフプラン]

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配偶者の年収の壁
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 グラフは、本サイトのライフプランシミュレーションで実際に求めた、「配偶者の給与収入と世帯の手取り」の関係を示しており、配偶者の年収100万円を基準として、そこからの差分で表しています。条件として、世帯主が主たる給与収入者で、配偶者の生計を維持しているものとします。

 配偶者の給与収入には大きく3つの壁があります。1つ目の壁は年収100万円(所得45万円)と年収103万円(所得48万円)で、「税金の壁」です。住民税には均等割と所得割があり、自治体によって均等割は低所得者でも課税される場合がありますが、所得割部分は年収100万円(所得45万円)まで非課税で、これを超過すると課税され始めます。一方、所得税は年収103万円(所得48万円)まで非課税で、これを超えると課税され始めます。

 2つ目の壁は年収106万円と130万円で、「社会保険料の壁」です。配偶者が働く条件として、①週所定労働時間および月所定労働日数がフルタイムの3/4以上の場合、もしくは、②週所定労働時間が20時間以上、月額賃金が88,000円(年収105.6万円相当)以上、2ヶ月を超える雇用の見込み、学生ではない、従業員数101人以上(2024年10月からは51人以上)の企業で働いている、などの条件を全て満たす場合には、社会保険に加入しなければなりません。本サイトのライフプランシミュレーションでは、①や②の労働時間などの条件はすべて満たすものとして、賃金だけで判定しているため、年収106万円以上では手取りが大きく減少します。なお、他の年収の壁は、給与収入以外の年金収入や事業収入、不動産収入なども含まれますが(判定は所得金額)、106万円だけが給与収入に限られます。

 一方、①②のどちらも満たさないケースで、年収130万円未満(かつ、世帯主の収入の1/2未満)であれば世帯主の扶養家族となり、健康保険、厚生年金保険などの社会保険料がかかりません。しかし、130万円以上になると扶養家族でなくなり、配偶者が自ら社会保険料を支払わなければならなくなります。したがって、年収106万円では手取りが減らなかったケースでも、年収130万円で大きく減少することになります。106万円ではなく130万円で壁が現れるケースは、配偶者が自営業者やフリーランスなどのケースも含まれます。ただし、この場合は収入から必要経費を除いた所得が130万円です。

 3つ目の壁は年収150万円(所得95万円)と年収202万円(所得133万円)で、「配偶者控除の壁」です。世帯主の所得と配偶者の所得の組合せで配偶者控除額が決定されており、世帯主の所得900万円以下、配偶者の年収103万円(所得48万円)以下で配偶者控除38万円を満額として、世帯主の所得1,000万円超、配偶者の年収202万円(所得133万円)超では、配偶者控除はゼロとなります。その間では、世帯主の所得が50万円増えるごと、配偶者の年収(所得)が5万円増えるごとに、配偶者控除が満額から徐々に減額されます(これを配偶者特別控除と言う)。世帯主の所得が900万円以下の場合、配偶者の年収が150万円までは配偶者特別控除が38万円ですが、年収が5万円増える毎に配偶者特別控除額が段階的に減額され、年収202万円(所得133万円)を超過すると控除はゼロになります。グラフでは、この段階的に減少する効果により、なだらかに手取りが減っていき(傾きが徐々に減っていく)、心理的な壁は感じにくいと思われます。

 3つの壁の中では、2つ目の「社会保険料の壁」が最も大きく、いわゆる「年収の壁」にあたります。少子高齢化対策として、社会保険の加入要件を緩和して、多くの事業所、多くの被雇用者から広く保険料を徴収する方向で、年収106万円を超えると加入となるケースが今後益々増えると思われます。年収の壁を意識して労働時間を抑えることが労働力不足に繋がりかねないことから、政府は2023年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」の適用を開始しました。社会保険料の壁を越えて手取りが減少する分を、事業者を通して3年間で最大50万円支援したり、一時的な収入増であれば最大2年間は扶養家族から外れない、などの対策です。時限措置ですが、2年の間に根本的な対策を検討することとしています。国会でも議論になっていますが、今後、どのような対策が打たれるのか、注目していきましょう。

 なお、ライフプランシミュレーションでは、社会保険への加入要件の細かな判定までしておらず、時限的な支援強化パッケージにも対応していませんが、グラフにあるように詳細に計算することができますので、短期的な視点にとらわれず、長期的な視点で何がベストなのか、ライフプランシミュレーションを通して納得できる働き方を検討してみるとよいでしょう。
(2024/2/28 下線部加筆修正)

(出典:「家族と税」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm)、
「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入により手厚い保障が受けられます。」(政府広報オンライン)(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201607/2.html)、
「年収の壁・支援強化パッケージ」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html)を元にライフプラン・シム作成)


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