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医療保険


 2021/01/27

 [保険・医療]

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医療保険
TumisuによるPixabayからの画像

 「老後の医療費と介護費用」 でも述べましたが、生涯に支払う自己負担の医療費は1人およそ500万円で、徐々に病院通いが増えてくる55歳以降でその半分以上を占めています。但し、これは公的な医療費の話しで、入院時に掛かるケースのある差額ベッド代などは含まれていません。

 なお、高齢になると医療費が増えていますが、自己負担がそれほど増えないのは、自己負担率が現役世代より低く優遇されていることと、医療費、介護費用には月額の負担上限額が決められているためです。ただし、国家予算に対する医療費の増加に伴い、高齢者の自己負担率の見直しが議論されているため、注意が必要です。

 次に入院日数で見てみると、新規入院の平均日数は高齢になるほど長くなり、80歳未満ではほぼ30日未満なのに対して、80歳以上では年ごとに増加して100歳以上では60日以上になります。また、1人当たり新規入院件数でみると、65歳以上から1割(10人に1人が入院)を超えて徐々に増加し、70代で2割以上、80代で3割以上、90代で5割以上となっています。こうしてみると、高齢になるほど入院の機会や入院日数が増えていくことがよくわかります。

 高齢化に伴う医療費の増加リスクはお判りいただけたと思いますが、入院が長引いたり、何度も入退院するなどの想定外の出費を助けてくれるのが医療保険です。十分に貯蓄があれば医療保険に入らないという考えもあり、どこまで貯蓄でカバーしどれだけ保険でリスクに備えるかは人それぞれの考え方です。保険でリスクに備える場合は、高齢になるほど入院の確率が高くなりますから終身保険を選んだほうが良く、また現役世代のうちに保険料を支払い終えるのが安心です。なお、50代になると病院のお世話になる機会が増え、場合によっては通常の医療保険に入れないことがあります。既往症のある方が入れる保険でも保険料が割高になりますので、医療保険に入るなら40代までの健康な時期に入ることをお勧めします。

 医療保険での入院給付金額ですが、あくまでもリスクに備えるものという考えで、それほど高額な入院給付金は必要ないと考えます。給付金が高くなれば保険料も増加します。55歳以降の医療負担が約250万円なので、その半分程度の保険料の範囲で入院給付金を抑えるのが一つの目安ではないでしょうか。また、働いている間だけになりますが、大企業などの健康保険組合では、療養費が一定額を超過した分を払い戻す「付加給付」という手厚い制度もありますので、医療保険に入る前によく確認して、特に若い方は過剰にならないように注意してください。


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