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国民年金の年金額を増やす方法


 2024/04/02

 [年金・退職金]

106

年金受給額の計算の仕方


 2024/03/27

 [年金・退職金]

105

外貨建保険の注意点


 2024/03/08

 [資産運用]

104

児童手当、児童扶養手当の改正


 2024/02/22

 [子育て・教育費]

103

自動車の販売価格が上昇


 2024/02/07

 [ライフプラン]

101

マンションの相続税評価額が上がる


 2024/01/17

 [不動産]

100

空き家の保有、売却にかかる税金


 2023/09/25

 [不動産]

8件/全123件

国民年金の年金額を増やす方法
Nattanan KanchanapratによるPixabayからの画像

国民年金の保険料と年金額

 20歳以上60歳未満の自営業者や学生、無職の方など、雇用されていない方が国民年金に加入します(国民年金第1号被保険者という)。10年以上加入して定額の保険料を納付すると、原則65歳から、保険料を納めた月数(加入月数)に比例した年金額がもらえます。最長で40年間(480ヶ月)加入することができ、その場合の年金額が満額(上限)となります。

 保険料、および年金額の満額は、物価上昇率に応じて年度ごとに見直されます。参考までに、令和6年度の保険料は月額16,980円(年額203,760円)、年金額の満額は月額68,000円(年額816,000円)です。

付加年金

 国民年金第1号被保険者については、保険料を納付する際に付加年金を申し込んで、毎月400円の保険料を上乗せすると、毎年の年金額に200円×付加保険料納付月数が上乗せされます。

 例えば1年間で付加保険料を4,800円納付すると、毎年の年金額に2,400円が上乗せされます。すなわち、年金を2年受給すれば、付加保険料の元が取れることになります。最大40年で192,000円の付加保険料を納めれば、毎年の年金額に96,000円が上乗せされます。

 ただし、付加年金は申し込んだ時点から保険料を納付することになるため、過去にさかのぼって付加年金を増やすことはできません。また、付加年金を申し込むと、原則として途中で中止することはできません。

 国民年金第1号被保険者でも、国民年金基金に加入して年金額を上乗せする方は、付加年金を利用できません。厚生年金の被保険者(国民年金第2号被保険者)や、扶養する配偶者(国民年金第3号被保険者)も、間接的に国民年金に加入しますが、付加年金を利用できません。

保険料の免除制度、納付猶予制度

 収入が減ったり、失業するなどして保険料を納付するのが困難な場合には、申請することで保険料の一部もしくは全部を免除したり、保険料の納付を猶予する制度があります。免除、猶予された期間も受給資格期間にカウントされ、10年以上で年金を受給する権利(年金受給権)を得ることができます。

 ただし、保険料が免除された割合と期間によって年金額が減少しますが、全額免除の期間でも、保険料を納付したときの2分の1(平成21年3月までの免除期間は3分の1)が保障されます。なお、猶予の期間は受給額に反映されません。

 同様に、20歳以上の学生で保険料を納付するのが困難な場合には、学生納付特例を申請することで納付が猶予されます。この場合も、受給資格期間にカウントされますが、受給額に反映されません。

 これらの申請は、2年1ヶ月前まで遡って申請することができますが、それ以前の分は申請することができません。申請をしないで保険料を納めずにいると、万一の場合に受け取ることのできる障害年金や遺族年金が受け取れない可能性があります。年金は老後に受け取るだけのものではありませんので、注意してください。

 他に、産前産後期間の原則4ヶ月間も、届け出により保険料の納付が免除されますが、この場合は全額納付したものと見なされ、年金額に反映されます。

保険料の追納制度

 国民年金の保険料が、免除制度、納付猶予制度、学生納付特例によって免除や猶予された場合でも、10年以内であれば追納することができ、それによって年金額を増やすことができます。

任意加入制度

 60歳で雇用先を定年退職して自営業や無職となった人で、学生の時に学生納付特例を申請しなかった人は、加入月数が480ヶ月に満たないため、満額の年金額をもらうことができません。このような場合、480ヶ月に達するか65歳を迎えるまで、国民年金に任意加入する(国民年金第1号被保険者になる)ことができます。任意加入して保険料を納付すれば、年金額を増やすことができます。また、任意加入中も付加保険料を納付することができます。

最後に

 特に若い方は、年金なんて遠い先のことだと思って、制度内容を知らず、申請しないで過ごしてしまいがちです。しかし、過去にさかのぼって申請できないものもあり、年金を受け取る権利や、年金額を増やすチャンスを逃してしまうかもしれません。知らなくて損をすることはあっても、知っていて損はありません。複雑で分かりにくいところもありますが、自分の将来のお金にかかわる様々な制度に、ぜひ目を向けてみてください。

関連記事

「国民年金の任意加入」

(出典:「国民年金に加入の方(自営業・学生など)」(日本年金機構)(https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/kokunen/index.html)を元にライフプラン・シム作成)


年金受給額の計算の仕方
Michael SchwarzenbergerによるPixabayからの画像

年金の構成

 公的年金には、原則20歳以上~60歳未満の全ての人が加入する国民年金と、70歳未満の会社員・公務員が加入する厚生年金があります。

 国民年金は、40年(480ヶ月)の加入を上限として保険料は定額で、年金受給額も40年加入での満額を基準として、加入月数にのみ比例します。ただし、保険料、年金受給額の満額は、年度毎に物価や賃金の変動を反映して見直されます。

 一方、厚生年金の保険料は、給与収入(標準報酬月額)に対して定率の金額で、これを労使折半で負担します。厚生年金に加入すると、年齢にかかわらず同時に国民年金にも加入することになりますが、国民年金の保険料もこれに含まれます。厚生年金の年金受給額は、国民年金に相当する基礎年金部分(満額が上限)と、厚生年金に加入している期間の平均標準報酬月額に比例した報酬比例部分を合算した額となります。

年金受給額の概算を求める計算式

(1) 国民年金(基礎年金部分)の受給額(年額)

 国民年金受給額満額×国民年金加入月数/480ヶ月

([注] 国民年金受給額満額は毎年度見直されるものです。将来にわたって、この計算結果の受給額が保証されるものではありません。また、保険料の一部あるいは全部を免除された加入期間がある場合は、免除額やその期間に応じて受給額が減額されます。)

 令和6年度の国民年金の受給額満額は、物価上昇を反映して令和5年度から2.7%引上げられ、816,000円です。なお、昭和31年4月1日以前の生まれの方は、813,696円です。年度ごとの満額は、厚生労働省、日本年金機構のホームページや、各自治体のホームページで確認できます。概算を求める場合は、約80万円としてもよいでしょう。

 また、就職以前(20歳以上の学生の時)に国民年金に加入して保険料を納付していた場合は、国民年金の加入月数にこの期間も含めてください。60歳以降に任意加入する場合は、その期間も含めてください。ただし、トータル480ヶ月を超えて加入することはできません。

 なお、付加保険料を収めることで上乗せされる付加年金は、計算に含んでおりません。

【計算例】国民年金加入期間38年(456ヶ月)の場合
 81.6万円×456ヶ月/480ヶ月=77.52万円

(2) 厚生年金(報酬比例部分)の受給額(年額)

 厚生年金加入期間の平均年収/12ヶ月×0.55%×厚生年金加入月数

([注] 本計算式は、あくまでも簡易的に受給額を求めることを目的としており、結果は概算を示すものです。また、将来の加入期間を含む場合、平均年収も加入月数も増減する可能性があるため、将来にわたって、この計算結果の受給額が保証されるものではありません。)

 就職から退職するまでの全期間の平均年収(賞与を含む)を求める必要があります。将来分を含めた平均年収が分からない方は、一般的に38歳の年収額に一致しますので、その金額が分かればそれを用いてください。

 実際の計算には、毎年の標準報酬月額が用いられ、過去の賃金を現在価値に換算する再評価率が掛けられます。年収がおよそ2,000万円以上の期間を含むケースや、賞与の比率が極端に高いケースなどは、平均年収を用いた簡易的な式では、実際と大きなずれが生じる可能性があります。

 なお、家族構成によっては、一定期間、加給年金を受給できる場合などがありますが、ここでは加給年金などの付加的な年金は一切含んでおりません。

【計算例】厚生年金加入期間38年(456ヶ月)、38歳の年収600万円の場合
 600万円/12ヶ月×0.55%×456ヶ月=125.4万円(報酬比例部分)
 基礎年金部分+報酬比例部分=77.52万円+125.4万円=202.92万円

年収の壁を超える場合や雇用延長で年金がどれだけもらえるか

 年収の壁を越えて社会保険料を負担しながら働く場合や、定年退職後に雇用延長などで働く場合、厚生年金がいくらもらえるかの計算も、上記の計算式で求められます。どちらの場合でも、加入月数とその期間の平均年収が分かれば年金受給額が計算でき、他の加入期間から求めた受給額と合算することができます。ただし、厚生年金の基礎年金部分のトータル加入月数は480ヶ月が上限で、受給額も満額が上限となります。

【計算例】年収300万円で5年間(60ヶ月)雇用延長した場合
 基礎年金部分=81.6万円×(480ヶ月-456ヶ月)/480ヶ月=81.6万円×24/480=4.08万円
 報酬比例部分=300万円/12ヶ月×0.55%×60ヶ月=8.25万円
 年金受給額=(77.52万円+4.08万円)+(125.4万円+8.25万円)=81.6万円+133.65万円=215.25万円

関連記事

「年金受給額の推移とインフレ下で低下する将来価値(将来の年金受給額)」

「加給年金」

「国民年金の任意加入」

「厚生年金の加入期間」

もっと詳しい年金シミュレーション

①当サイトの「ライフプランシミュレーション」
 無料の会員登録をして、年齢、現在の年収、退職年齢、家族構成などを入力すれば、加給年金を含めた年金受給額の概算が求められます。

②「厚労省公的年金シミュレーター」 https://www.mhlw.go.jp/stf/kouteki_nenkin_simulator.html
 登録など不要で、年齢と現在の年収(990万円以下)を入力すれば、年金受給額の概算が求められます。

③「ねんきんネット」 https://www.nenkin.go.jp/n_net/
 マイナンバーカードもしくは基礎年金番号を使ってアカウント登録すれば、あなたの年金受給額を試算できます。

(出典:「[年金制度の仕組みと考え方]第3 公的年金制度の体系(年金給付)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_shikumi_003.html)を元にライフプラン・シム作成)


外貨建保険の注意点
拡大可

 インフレを背景にして上昇した米ドルの長期金利は、2023年11月をピークに下降基調にあるものの、年が明けても4%を超える高い水準にあります。それを背景に米ドル建の生命保険の予定利率が高く設定され、終身保険などの保険商品に注目が集まっています。しかし、外貨建保険ならではの仕組みもあり、損失が発生するリスクがありますので、自分の目的に合った金融商品であるか、その仕組みやリスクをしっかり確認しましょう。

1. 為替変動リスク

 外貨建金融商品ならではのよく知られたリスクの一つです。ご存じのように、外貨と日本円の相対的な価値(為替レート)は日々変動しており、主にそれぞれの長期金利の差により影響を受けます。保険契約時の外貨円レート(ドル円レートなど)よりも解約時や満期時の外貨円レートが低ければ、すなわち円高になれば、外貨ベースでは解約返戻金や満期保険金が増えたとしても、円で受け取った際に為替差損が生じ、結果として元本割れになる可能性があります。

 契約時に極端な円安になっていないか、いくらまで円高になったら元本割れになるか(損益分岐売却レート)を確認します。そして、将来、その為替レートになる可能性が高いか低いか、すなわちリスク度合いを、過去の為替レートや今後の経済見通しなどから、自ら判断する必要があります。

2. 為替手数料

 例えば円をドルに交換する際と、ドルを円に交換する際に、一般的にそれぞれ0.5円/ドル前後の為替手数料がかかります。保険会社によって為替手数料は異なりますので、契約時によく確認する必要があります。特約などで為替手数料が低く抑えられる場合もあります。

3. 保険契約費用

 保険契約のための初期費用がかかり、保険料から一定の割合を差し引かれる場合があります。保険契約によってその割合は異なりますが、特に外貨建保険の場合は初期費用が割高なことが多く、例えば一時払いの終身保険の場合、保険料の5%前後が契約時に差し引かれますので、短期間で解約すると元本割れになることがあります。初期費用がどの程度かかるのかも、必ず確認してください。

 また、保険期間中にかかる費用や死亡保障に必要な費用は、予定利率や積立利率の算出の仮定で控除されている場合もあります。

4. 解約返戻金

 保険期間中は、保険料から初期費用を差し引いた原資をもとに、予定利率や積立利率で運用されます。中途で解約する場合には、解約手数料が差し引かれた解約返戻金が契約者に支払われます。この解約手数料の料率を、解約控除率と言います。契約から解約までの期間が短いほど、この解約控除率が大きく設定されています。保険契約により異なりますが、為替変動がない仮定で、契約から数年程度は元本割れとなることが多いため、これも必ず確認してください。

 なお、保険によっては、予定利率、初期費用、解約控除率などの具体的な数値は示さず、契約からの経過年ごとの解約返戻金額のみを示し、保険料に対する返戻率で表している場合もあります。

5. 市場価格調整

 債券をベースにした外貨建保険では、保険期間開始時の市場金利を基にした積立利率が適用されますが、中途解約時の市場金利が変動した場合、解約返戻金を調整することがあります。これを市場価格調整、もしくは市場金利調整と言い、最も分かりにくい仕組みの一つです。

 すでに発行されている債券(既発債)は、市場で売買することができますが、市場金利が上昇すると債券の価値が下がり、市場金利が低下すると債券の価値が上がります。債券の残存期間が長いほど、すなわち債券発行直後ほど影響を受けやすくなります。この債券の特性を、中途解約時の解約返戻金の計算に取り入れ、保険期間の積立利率よりも解約時の積立利率が上昇すると、市場価格調整により解約返戻金が減少します。その逆の場合は、市場価格調整により解約返戻金が増加します。

 市場価格調整率は、保険契約に計算式や値が記載されていますが、1-{(1+保険期間の積立利率)/(1+解約時の積立利率+調整率)}^(残存月数/12)で計算されます(^はべき乗を表す)。ここで、調整率は保険会社ごとに設定している値で、残存月数は保険期間の残りの月数です。解約時の残存月数が大きいほど、すなわち早期に解約するほど、解約時の市場金利が高いほど、調整率が大きいほど、市場価格調整率が大きくなり、解約返戻金は減少します。注意して確認したいポイントです。

 グラフは、保険料1万ドル、保険期間の積立利率が4%、満期が10年の保険契約において、解約時の積立利率が変動した場合の、市場価格調整後の解約返戻金額の計算例を示しています。分かりやすくするために、解約控除率は0%、保険会社が設定する調整率は0%としました。解約時の積立利率が上昇すると、早期に解約するほど元本割れになるリスクがあることがよくわかります。

 一般的に、円の市場金利に対して外貨の市場金利が高いと円安になり、為替差益が期待できますが、市場価格調整により解約返戻金が減少しますので、早期に解約すると期待ほど利益が出ないこともあります。逆に、円高になると為替差損が発生しますが、市場価格調整により解約返戻金が増加しますので、思ったほど損が出ないこともあります。解約時期が遅いほど市場価格調整は減少しますので、為替変動に結果が左右されやすくなります。

 なお、解約返戻金は一時所得として扱われますが、5年以内に解約して利益が出た場合は、金融類似商品と見なされて源泉分離課税が適用され、20.315%の税率がかかりますので、その点も注意してください。

6. 目標金額の設定

 さらに、債券をベースにした外貨建保険では、保険期間中に積立金額の目標金額を設定できる保険があります。支払った円ベースでの保険料総額の120%や150%のように目標金額を設定し、円換算で目標金額に到達すると、円建の保険に自動的に移行したりします。

 目標金額を必ずしも設定しなければならないことはありませんが、注意しなければならないことは、目標金額を低く設定すると、予想外に早く目標に到達し、所望の金利での長期運用のメリットが得られない可能性があることです。解約ではないため、解約控除や市場価格調整などはありませんが、売り手側が新たな保険への切り換えなどを目的として、目標金額を低く誘導する懸念も指摘されていますので、注意が必要です。

7. 資産運用計算ツールで試算を

 当サイトでは、どなたでも無料で「資産運用計算ツール」 を利用することができ、その中に「外貨建て金融商品での損益を求める計算」があります。この計算では、購入金額、購入時の為替レート、売却時の為替レート、それぞれの為替手数料、運用期間、外貨利率に加え、購入手数料率、売却手数料率も入力することができます。購入手数料率に初期費用の控除率を、売却手数料率に解約控除率を入力すれば、売却金額、損益、実質利回り、実質年利、損益分岐売却レートを求めることができます。

 また、市場価格調整がある場合は、保険契約や保険会社のホームページなどで市場価格調整率を確認して、解約控除率に加えて売却手数料率に入力してください。

8. 最後に

 外貨建保険は、長期運用が前提であり、流動性が低く、初期費用や解約費用などのコスト高である点、為替リスク(金利リスクを含む)がある点をよく理解する必要があります。その上で、高い予定利率や積立利率が長期に約束されれば、為替変動に打ち勝ったリターンが期待できます。また、保険本来の死亡保障や相続対策の役割を担うこともできます。したがって、純粋な投資目的として外貨建保険をメインに考えることはお勧めしません。外貨建保険の特性が、あなたの目的に合っているのであれば、保険会社によって積立利率や解約返戻金、初期費用などが異なることから、保険契約の内容をよく比較して選ぶとよいでしょう。


児童手当、児童扶養手当の改正
拡大可

 児童手当の給付対象が、これまでの中学生までから高校生までに拡大されるとともに、所得制限が撤廃されます。また、第3子以降への給付額が月額15,000円から30,000円に倍増されるとともに、高校生および3歳未満にも拡大されます。給付月も年3回から年6回に変更されます。

 さらに、第3子以降のカウントの仕方も、これまでは高校卒業までの養育している児童のうち3番目以降でしたが、22歳を迎えた後の3月末まで(22歳年度と言う)の上の子について、大学生に限らず、親等の経済的負担がある場合はカウント対象となるよう拡大されます。これらは、令和6年10月分(令和6年12月支給)から改正されます。

 まとめると、児童手当の改正の内容は以下の通りです。
・給付対象が高校生までに拡大
・所得制限の撤廃
・給付月が年6回(偶数月)へ
・第3子以降への給付額が倍増(月額30,000円)
・第3子以降への給付が高校生、3歳未満に拡大
・第3子以降のカウント対象が22歳年度まで拡大

 これまでの児童手当の所得制限の変遷を振り返ると、所得制限額以上の場合には、児童1人当たりの給付額を月額5,000円に減額される特例給付が適用されていました。さらに令和4年10月からは、この特例給付に所得制限限度額が設けられ、所得が限度額を超える場合には給付されなくなるという、財政重視の施策が採られていました。今回は、所得制限の撤廃により、特例給付自体が廃止され、所得に関係なく子育て世帯に全額給付されることになり、少子化対策重視に舵が切られたことになります。

 また、ひとり親世帯への支援である児童扶養手当についても、令和6年11月分(令和7年1月支給)から所得限度額が引上げられて、全額支給、一部支給の対象が拡大されます。18歳年度以下(障害者の場合は20歳未満)の児童が1人いる、ひとり親世帯の場合、全額支給の所得限度額が、年収160万円相当から190万円相当に引上げられ、一部支給の所得限度額が、年収365万円相当から385万円相当に引上げられます。さらに、これまで3人目以降の児童の支給額は、2人目の児童への支給額の6割程度でしたが、2人目の児童への支給額と同額に引上げられます。なお、児童扶養手当の支給額については、年度ごとに物価変動を反映して改定されています。

 一方、所得税の減税になる扶養控除に目を向けてみると、平成22年(2010年)の児童手当制度の導入時に、これと重複する16歳未満の扶養親族への所得控除(扶養控除)が廃止されました。扶養控除では、所得から一定額(1人当たり38万円)を控除しますが、所得が少ない人ほど税率が小さいことから、実際に控除される税額も少なくなるため、所得制限を設けたうえで一定の手当を給付する児童手当制度が導入されました。

 また、16歳以上19歳未満の扶養控除については、高校授業料の実質無償化にともない、特定扶養控除(1人当たり25万円上乗せして63万円)の上乗せ分が廃止されました。今回、児童手当の対象が高校生(18歳年度)まで拡大されましたが、少子化対策を重視する方針から、扶養控除を廃止するのではなく、これまでの控除額(38万円)に代えて上乗せ分(25万円)を復活(すなわち38万円から25万円に減額)する案が検討されています。令和7年の税制改正で議論され、令和8年以降の所得税への適用を目指しているとのことです。

 同様に住民税では、現状の33万円の控除が12万円の控除に減額され、令和9年以降の住民税に適用されることになります。

関連記事

「子どもに関する手当、給付」

「ひとり親への児童扶養手当」

「児童手当の特例給付の改正」

(出典:「令和6年度こども家庭庁当初予算案のポイント」(子ども家庭庁)(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/88749a20-e454-4a5b-9da8-3a32e1788a23/b67815f7/20231222_policies_budget_15.pdf)

「令和6年度税制改正の大綱の概要」(財務省)(https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2024/06taikou_gaiyou.htm)を元にライフプラン・シム作成)


自動車の販売価格が上昇
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 グラフは、経済産業省の生産動態統計をもとに作成した、自動車(乗用車)の排気量別の平均販売価格と販売台数の推移を示しています。販売台数には輸出分も含まれており、2022年では国内販売台数が約345万台、輸出が約310万台で、合計655万台となっています。小型車は5ナンバー車で、普通車は3ナンバー車です。

 平均販売価格は、それぞれのクラスごとに総販売価格を販売台数で割って求めており、2022年では、普通車が314万円(2010年比+49%、前年比+13%)、小型車が187万円(同+34%、+9%)、軽自動車が127万円(同+37%、+8%)となっています。特に、2022年は上昇率が高くなっており、実感と一致しているのではないでしょうか。

 世界的な物価上昇と円安により、さまざまな材料価格、エネルギー価格や人件費、輸送費が上昇し、自動車の製造もその影響を受けていることの表れです。また、長期的に見ると、ガソリン車よりも価格が高いハイブリッド車などの環境先進車の比率が徐々に高まっていることや、運転支援機能の高度化、装着車の増加なども、販売価格を押し上げている要因となっています。

 一方、国税庁の民間給与実態統計調査によると、その間の平均給与額は、2010年が412万円、2022年が458万円(2010年比+11%)にとどまっていますので、例えば小型車の平均販売価格が平均年収に占める比率は、34%から41%に上昇しています。それも、以前より自動車の販売価格が高いと感じる一因ではないでしょうか。

 次に、販売台数を見ると2020年から落ち込んでいますが、ご存じのように、新型コロナウィルスのパンデミックと、その影響による半導体の供給遅延が発生したことによるものです。なお、軽自動車は国内規格であるため輸出されませんので、国内販売で見ると軽自動車が3割を占めていることが分かります。

 なお、2023年を総括しての生産動態統計はまだ公表されていませんが、11月までのデータからの推定では、年間販売台数が約770万台に回復する見通しです。また、推定平均販売価格は、普通車が358万円(前年比+14%)、小型車が197万円(同+6%)、軽自動車が136万円(同+7%)と、2022年に引き続き、大きく上昇しています。一度上昇した価格は下がりにくく、しかも物価上昇、輸送費の上昇、円安が続けば、さらに上がり続ける可能性が高いでしょう。

(出典:「生産動態統計」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/08_seidou.html)を元にライフプラン・シム作成)


子どもがいる給与収入850万円超の人、給与と年金の所得がある人の所得金額調整控除
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 所得税の課税所得額の算出において、全ての人の所得額から一律に差し引かれる基礎控除額が、2018年の税制改正により10万円引き上げられ48万円※1となりました(2020年から適用)。この基礎控除額の引き上げを相殺するために、給与収入と年金収入については、所得額を求めるためにそれぞれの収入から差し引かれる給与所得控除額、公的年金等控除額が、ともに引き下げられました。

 具体的には、給与収入から控除される給与所得控除額は、収入金額に応じて10万円から25万円が引き下げられ、高収入層では税負担が増えることになりました。同様に、年金収入から控除される公的年金等控除額についても一律10万円※2引き下げらたことから、給与と年金の両方の所得がある人は、所得控除額の引き下げが二重になり、税負担が増えるケースがあり得ることになりました。

 そこで、子どもや特別障害者※3を扶養する、850万円超の給与収入額がある人には最大で15万円が、給与と年金の両方の所得がある人には最大で10万円の所得控除が加算される、所得金額調整控除が同時に導入され、救済されることになりました。

※1)合計所得額が2,400万円を超える場合は、控除額が48万円から段階的に減少し、2,500万円でゼロになりました。
※2)公的年金収入が1,000万円を超える場合には20万円、2,000万円を超える場合には30万円引き下げられ、さらに1,000万円を超える場合には新たに控除額の上限が設けられました。
※3)重度知的障害者、障害等級が1級の精神障害者、障害等級が1級または2級の身体障害者、常に寝たきりの状態で複雑な介護を必要とする者など。

1. 子どもまたは特別障害者などを有する給与所得者の所得金額調整控除

 給与収入が850万円を超える人で、以下のどれかに当てはまる場合に、下記の所得金額調整控除額が給与所得から控除されます。

・年末時点で23歳未満の扶養親族を有する者
・本人が特別障害者である者
・特別障害者である、同一生計の配偶者、または扶養親族を有する者

所得調整金額控除額 = {給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円)- 850万円}×10%
(1円未満は切り上げ)

 なお、夫婦ともに給与収入が850万円を超えていて、23歳未満の扶養親族である子どもがいる場合、夫婦双方がこの控除の適用を受けることができます。

2. 給与所得と年金所得の双方の所得を有する者の所得金額調整控除

 以下の条件に当てはまる場合に、下記の所得金額調整控除額が給与所得から控除されます。

・給与収入から給与所得控除額を控除後の給与所得と、年金収入から公的年金等控除額を控除後の年金所得(雑所得)の合計が10万円を超える者

所得調整金額控除額 = {給与所得の金額(10万円超の場合は10万円)+ 年金所得の金額(10万円超の場合は10万円)}-10万円

 なお、1.の子どもまたは特別障害者などを有する給与所得者の所得金額調整控除が適用される場合は、適用後の給与所得の金額から控除します。

3. 申告方法

 1.に該当する場合で、年末調整で所得調整金額控除を受ける場合は、事前に「所得金額調整控除申告書」を勤務先に提出する必要があります。また、1.に該当する場合で、上の申告書を提出しなかった場合や、2.に該当する場合は、確定申告することにより所得金額調整控除を受けることができます。どちらの方法にしても、申告しなければ適用されませんので、注意してください。なお、該当するにもかかわらず申告していない場合は、過去5年以内であれば還付申告をすることも可能です。

(出典:「所得金額調整控除」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1411.htm)を元にライフプラン・シム作成)


マンションの相続税評価額が上がる
拡大可

 これまで、タワーマンションの上層階では、市場価格と比較して相続税評価額が割安になることから、富裕層が相続税対策としてタワーマンションの一室を購入するケースが多々ありました。これは、マンションなどの区分所有不動産では、土地を共有持分の割合(床面積の割合)で分割利用していると見なされることから、戸数が多いほどその面積が小さくなることと、建物の相続税評価額(固定資産税評価額)には、階の上下による差がないことによりました。

 この対策として、令和6年1月1日以降に発生する相続、遺贈については、相続税評価額の計算ルールが大きく見直されます。その影響は、築年数が浅く、戸数が多く、高層マンションの上層階ほど大きくなり、一般的な中層のマンションでも、従来の相続税評価額の1.5倍前後になりますので、この機会に確認することをお勧めします。

 マンションなどの区分所有不動産については、

相続税評価額=区分所有権(家屋)の価額+敷地利用権(土地)の価額

で評価され、

区分所有権の価額=家屋の固定資産税評価額、
敷地利用権の価額=路線価×地積×敷地権の割合(共有持分の割合)

で求められました。しかし、今回の改正では新たに「区分所有補正率」が定義され、従来の相続税評価額に区分所有補正率が掛けられることになりました。つまり、

相続税評価額=(区分所有権の価額+敷地利用権の価額)×区分所有補正率

となります。
 この区分所有補正率を求めるにあたって、まず「評価乖離率」を求めます。評価乖離率は以下の式で定義されます。

評価乖離率=3.220-0.033×築年数+0.239×総階数/33+0.018×所在階数-1.195×敷地利用権の面積/専有部分の床面積

注1)築年数は、一棟の区分所有建物の築年数(1年未満は1年とする)
注2)総階数には地階を含まない、33を超える場合は33とする
注3)所在階数が複数に跨る場合は低い方の階数、地階はゼロ階とする
注4)評価乖離率がゼロまたは負の場合は、評価額をゼロとする

 評価乖離率は、市場価格と比較して評価額がどれだけ割安になっているか(乖離しているか)を示す率で、統計的に求められた計算式です。築年数が浅いほど、建物の階数が高いほど、所在階が上階であるほど、戸数が多いほど乖離率は大きくなります。

 そして、この評価乖離率の逆数(=相続税評価額/市場価格)を評価水準とし、評価水準が60%未満の場合には、評価額が市場価格の60%となるように補正し、100%を超える場合には100%となるように補正します。これが区分所有補正率で、以下のようになります。

 評価水準の範囲    区分所有補正率
------------------------------------------------

 評価水準< 60%    評価乖離率×0.6
 60%≦評価水準≦100% 1(補正無し)
 100%<評価水準    評価乖離率

(注)一棟の区分所有建物のすべての専有部分、および敷地を単独で所有する場合、敷地利用権の区分所有補正率は1を下限とする

 なお、区分所有補正率については、以下の場合には適用されません。
・事業用のテナント物件など、構造上、居住用とできないもの
・一棟所有の賃貸マンションなど、登記上の区分建物でないもの
・地階を除く総階数が2以下のもの
・二世帯住宅など、親族と区分所有する居住用のもの
・借地権付き分譲マンションの敷地である貸宅地(底地)を評価する場合

 実際に計算してみたい場合は、国税庁のホームページ「居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書」(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hyoka/annai/1470-17.htm)から、エクセルの計算ツールがダウンロードできますので、活用されるとよいでしょう。

 一例ですが、築年数=10年、総階数=14階、所在階数=7階、敷地利用権の面積/専有部分の面積=0.5とすると、

評価乖離率=3.220-0.330+0.101+0.126-0.598=2.519
区分所有補正率=2.519×0.6=1.5114

となります。つまり、従来の相続税評価額の約1.5倍となります。

 なお、小規模宅地等の特例が適用可能な条件であれば、補正後の敷地利用権の価額が80%減額されます。

(出典:「『居住用の区分所有財産』の評価が変わりました」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023011-040_01.pdf)、

「マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0023006-018.pdf)

を元に、ライフプラン・シム作成)


空き家の保有、売却にかかる税金
拡大可

 空き家の老朽化によって、近隣への影響が心配されるような事例が増えているのはご存じの通りですが、老朽化した実家を相続することは、もはや他人事ではありません。国土交通省によると、賃貸用、売却用の空き家を除いた「その他空き家」(居住目的のない空き家)は、過去20年間で約2倍に増加し、2018年には約350万戸に達しており、2030年には約470万戸に達すると推定されています。

 相続する側からすると、売却によって譲渡益が見込める物件はまだしも、除却(取り壊し)しなければ買い手もつかず、それによって損失が生じる物件もあって、相続放棄を選択せざるを得ないケースや、相続しても放置されているケースも多々あります。やむを得ないとはいえ、放置されている空き家がますます増加し、地方や国の財政にのしかかってくる現実もあり、難しい問題と言えます。

特定空き家と管理不全空き家

 増加する空き家問題への対策として、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、市町村が、周囲に著しい悪影響を与える空き家を「特定空き家」に指定することで、所有者への改善の指導・勧告・命令ができるようになりました。さらに、所有者が命令に反して処置を実施しない場合には50万円以下の過料に処せられ、行政が手続きを踏んだ上で代執行を行い、工事費用を徴収することもできるようになりました。

 しかし、空き家のさらなる増加に伴い、特定空き家の増加が懸念されることから、その予防保全として、2023年6月に特別措置法の一部を改正する法律が公布されました(施行は公布から6ヶ月以内)。これにより、市町村が、特定空き家になる恐れのある「管理不全空き家」を指定することで、所有者への改善の指導・勧告ができるようになります。また、相続放棄されるなどにより所有者のいない特定空き家、管理不全空き家に対処するため、市町村が裁判所に財産管理人の選定を請求し、財産管理人が修繕や処分を実施することができるようになります。

敷地にかかる固定資産税の住宅用地特例の解除

 一般に、居住用の建物が建つ敷地については、200m2以下の固定資産税が1/6に、それを超える部分は1/3に減額される固定資産税の住宅用地特例が適用されます。空き家についてもこの特例が適用されることから、相続された空き家が放置されることにも繋がっていると指摘されてきました。そこで、特別措置法では、特定空き家に対して是正勧告を受けた場合には、この特例が解除されるようになりました。さらに、今回の特別措置法の一部改正ではその適用範囲を広げ、管理不全空き家についても是正勧告を受けた場合には、この特例が解除されることになります。特定空き家、管理不全空き家に指定された場合には、速やかに適正な処置を行うことが求められます。

相続した空き家の売却にかかる所得税の特例

 相続した空き家およびその敷地の有効利用を促進するために、被相続人が居住していた家屋およびその敷地を相続によって取得して売却し、一定の要件を満たす場合に、譲渡所得の金額から最高3,000万円までが控除されます。要件として、以下を満たす必要があります。

・1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられたこと
・区分所有建物登記がされている建物ではないこと
・相続の開始直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
(なお、被相続人が要介護認定を受け老人ホーム等に入所するなどで居住していなかった場合も適用対象)
・売却の時点において一定の耐震基準を満たすこと、もしくは建物を除却した上での敷地の譲渡であること
・相続から売却(もしくは除却)までの間、事業の用、貸付の用、居住の用に供されたことがないこと
・相続の開始から3年が経過する年の12月31日までの譲渡であること
・売却代金が1億円以下であること
・相続した空き家に相当する相続税を、譲渡所得計算の取得費に加算する特例など、他の特例の適用を受けていないこと
・親族など特別な関係のある人への譲渡ではないこと

 なお、この特例は、2016年4月1日~2023年12月31日までの譲渡について適用されますが、2023年度(令和5年度)の税制改正により、4年間延長して2027年12月31日まで適用することが決定しています。また、要件として売却の時点において一定の耐震基準を満たすか、もしくは建物を除却して更地で譲渡するかのどちらかのみでしたが、譲渡された翌年の2月15日までに、買主が耐震工事もしくは除却工事を実施しても、この特例が適用されるよう緩和されます(2024年の譲渡から適用)。

空き家を売却して譲渡損失が出た時の損益通算

 相続した空き家の譲渡所得は、譲渡価額-(取得費+譲渡費用)で計算されます。取得費には被相続人が取得した金額を用い(ただし、建物については減価償却費相当額を差し引く)、所有期間も被相続人の所有期間を引き継ぎます。なお、取得費が不明な場合は、譲渡価額の5%を取得費とします。また、譲渡費用には、建物の除却費用(取り壊し費用)を加えることができます。この空き家を売却して譲渡損失が発生した場合には、他に土地、建物の譲渡所得があれば、損益通算することができます。しかし、給与所得、事業所得などの他の所得とは損益通算することはできません。

 これらの他、自治体によっては、除却することで一定期間の固定資産税が軽減されたり、除却費用の一部を補助してくれる自治体もあります。古い建物を長期間放置すると、除却する選択肢しか残らなくなることから、実家を相続したら放置せずに、どんな選択肢があるか、自治体やNPO法人などからどんな支援が受けられるかなど、早めに調査してみるとよいでしょう。

(出典:「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(国税庁)(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm)、

「空き家の発生を抑制するための特例措置」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html)、

「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html)を元にライフプラン・シム作成)


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