役立つコラムに新しい記事「男女別年金受給額の分布」を投稿しました。 あくまでも事実を客観的に示したものですが、ご自分の将来の年金額やライフプランに目を向けるきっかけになれば幸いです。
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児童手当が改正され、2024年10月から適用になります。詳しくは「児童手当、児童扶養手当の改正」 をご覧ください。(2024/2/22 追記)
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中学生までの児童を養育している方には「児童手当」が支給されます。手当の金額は表にまとめていますが、3歳までは児童1人当たり月額15,000円、3歳以上は10,000円(小学生までは第3子以降15,000円)です。但し、全額支給を受ける条件として養育者の所得に制限があります。所得制限表において「扶養親族等の人数」は、同一生計内の、扶養控除の対象である配偶者と親族(児童を含む)および扶養控除対象でない児童の数(施設や里親などの養育者の場合)の合計です。なお、所得制限を超える場合でも、児童1人当たり月額5,000円の「特例給付」が受けられます。お子さんが生まれた時や、引っ越した時に届出・申請が必要になります。遡っての支給は無いので注意が必要です。申請の方法はお住いの市区町村にご確認ください。
そもそも、子どもが生まれた時はどのような給付があるかと言うと、会社員や公務員が出産休暇を取得中に給与が支払われなかった場合には、健康保険組合などからの給付金として「出産手当金」が支給されます。支給額は、支給が始まる前12ヶ月間の標準報酬月額の平均を30日で割って2/3を掛けた金額(日額)になります。
さらに、産休後に育児休業(原則、子が1歳に達するまで)を取得する場合には、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。支給額は、育児休業開始から180日目までは休業開始前賃金日額の67%、181日目以降は50%となります。但し、支給限度額が設けられており、計算に用いる賃金月額の上限が456,300円(令和2年8月時点)となっています。また、産休中、育児休業中は、健康保険料、厚生年金保険料などの社会保険料が免除されます。
この他、健康保険組合などに加入の方だけでなく、国民健康保険に加入の方も、出産時には「出産育児一時金」として、1児につき42万円50万円(2023/4/26 修正)が支給されます。
ライフプランシミュレーションでは、これらの給付金については、次のように入力するとよいと考えます。「児童手当」については、「子どもの手当計算ツール」にて概算ですが自動で判定しますので、支給される金額を(2022/9/5 修正)「その他の収入」の「借入金・非課税所得等」に入力してください。「出産育児一時金」は出産費用の補助金ですので、特別な費用が掛からない限り、一時的支出として出産費用を入力しなくても問題ないと考えます。補助金で不足する出産費用を、一時的支出として入力してください。(2022/9/5 修正)「出産手当金」や「育児休業給付金」については、可処分所得と給付金の差額を「一時的支出」に「休業中の給与未払い分」などとして入力する方法があります。1年間休業すると仮定してざっくり計算すると、収入額や家族構成によって多少違いますが、上限額以下の方ではボーナスを除く年収のおよそ15%前後の差となります(上限額の方で約80万円)。ボーナスの減額と合わせて差額が大きくなるようであればこのような概算で入力し、差額が小さければ入力しなくてもよいと考えます。
(出典:「児童手当制度のご案内」(こども家庭庁)(https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/annai)他を元にライフプラン・シム作成)
(2024/2/22 リンク先変更)
1. 年金受給額と保険料の推移
グラフは2004年(平成16年)以降の、厚生年金と国民年金の年金受給額と保険料の月額の推移を示したものです。厚生年金の年金受給額は、夫婦2人(平均標準報酬月額36万円(賞与を除く)×40年、妻は専業主婦)で受給するモデルケースを示しており、厚生年金の保険料は、厚生年金全体の保険料収入を被保険者数で割って賞与を除いた月額に換算し、労使折半したもので、独自に算出した金額です。また、国民年金の年金受給額は40年加入した場合の満額を示しています。厚生年金も国民年金も、保険料は徐々に増加している一方、減少率は多少異なるものの、年金受給額は徐々に減少していることが見てとれます。ただし、2023年は賃金・物価の上昇により、前年比約2.2%の上昇に転じ、2024年は前年比約2.7%の上昇となっています。
(注:2013年までの年金受給額は、特例水準により、本来の年金額よりも2%程度高い水準で支払われていましたが、2013年から段階的に減じられ、2015年に特例水準は解消されました。グラフの受給額は、この特例水準が反映されています。)
2. マクロ経済スライドによる年金受給額の調整
年金受給額は、通常は賃金(物価)の変動に合わせて増減させますが、少子高齢化での年金制度を維持するために2004年に年金制度改正があり、「マクロ経済スライド」という年金調整の仕組みが導入されました。大まかにいうと、賃金が下落した場合は同じ率で年金受給額も下落するのに対して、賃金が上昇した場合は賃金上昇率からスライド調整率(被保険者の数や平均寿命から計算)を差し引いた率を年金上昇率として、年金受給額の上昇を抑えるというものです。ただし、差し引いた結果がマイナスの場合は据え置き、マイナス分は未達分として翌年以降にキャリーオーバーされます(キャリーオーバー制は2018年から導入)。2000年以降は、賃金の減少に伴って年金受給額も減少してきましたが、2015年、2019年、2020年、2023年、2024年はプラスになり、マクロ経済スライドが適用され、年金上昇率が抑えられています。マクロ経済スライドが適用された年のスライド調整率は、それぞれ▲0.9%、▲0.5%、▲0.1%、▲0.6%、▲0.4%となっており、2019年と2023年には▲0.3%づつのキャリーオーバー分が含まれています。
3. インフレ下で低下する年金の将来価値
仮に賃金が上昇し続けて年金の上昇率がマクロ経済スライドによって抑えられると、あるモデルでの平均賃金に対する年金受給額の比率(これを所得代替率と言う)が下がってきて、一定水準(50%)に達した場合にこのマクロ経済スライドによる調整を終了することになっています。ちなみに、5年ごとに所得代替率を評価し直すことになっており、2004年から5年ごとに、59.3%、62.3%、62.7%と増えてきましたが、2019年に初めて61.7%と減少し、2024年は61.2%となりました。あくまでも仮定ですが、人口や賃金の変化が、あるモデルケースに合致すれば、2019年時点では、実質賃金上昇率+0.8%の試算で、2040年前後には50%になるのではないかと推定されていました。今回の2024年時点では、実質賃金上昇率+0.5%の試算でも、2060年前後に50%になるのではないかと推定されており、現行年金制度の継続性が確認されています。
(2024/7/4 グラフと下線部を更新)
賃金(物価)が上昇するインフレが続くと、現金・預貯金などのお金の価値だけでなく、相対的に公的年金の将来価値は下がっていくというリスクがあることは認識しておいてください。
ライフプランシミュレーションでは、現在のところ、年金受給額を賃金上昇率には連動させずに、受給初年の金額で一定としています。
(出典:「令和5年版厚生労働白書(年金編)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/22-2/dl/11.pdf)および
「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106808_1.html)を元にライフプラン・シム作成)
子ども家庭庁内閣府の説明を基に、小学校入学前の子どもに対する、幼児教育、保育の無償化についてまとめてみました。
大きく分けると、0歳~2歳までと3歳~5歳までで制度が異なり、0歳~2歳までは住民税非課税世帯のみが支援の対象となるのに対し、3歳~5歳は全世帯が対象となります。ここでの年齢は4/1時点での満年齢となります。ただし、幼稚園は入園できる時期に合わせて満3歳からになります。
ここで、幼稚園については「子ども・子育て支援新制度」の対象か対象外か、という定義が出てきますが、この制度は、従来の幼稚園(学校)と保育所(児童福祉施設)を区別していた弊害を取り去り、新たな「幼保連携型認定こども園」を創設するものです。この制度の対象となる私立幼稚園では、基本的に公定価格の保育料等(保護者の所得に応じて算出)となり、国や地方自治体からの「施設型給付」と呼ばれる財政支援を受けて運営するのに対して、対象外の私立幼稚園ではこの給付は受けず、従来の「私学助成金」を受け、保育料等の価格は幼稚園が独自に設定し、独自の教育理念等にしたがって運営するものです。対象かどうかについては「子ども・子育て支援情報公表システム”ここdeサーチ”」(https://www.wam.go.jp/kokodesearch/ANN010100E00.do)などで確認してください。
なお、通園送迎費、食材料費、行事費、延長保育料等は保護者負担(実費徴収)になりますが、食材料費については、年収360万円未満相当の世帯、および全世帯の第3子以降は、副食(おかず、おやつ等)の費用が免除されます。また、企業主導型保育事業については無償ではなく、これまでの利用料から年齢に応じた一定の金額が減額される制度になっています。
また、子どもが2人以上いる世帯(所得制限なし)の負担軽減措置として、保育所等を利用する最年長の子供を第1子とカウントし、0歳~2歳までの第2子は半額、第3子以降は無料となります。ただし、年収360万円未満相当世帯は、第1子の年齢は不問となっています。詳しくは、子ども家庭庁内閣府の「よくわかる子ども・子育て支援新制度」(https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/sukusuku)などで確認してください。市区町村によっては、さらに独自の減免措置を講じている場合がありますので、お住いの自治体のホームページなどで確認してください。(2024/2/22下線部およびリンク先修正)
ライフプランシミュレーションを行う際、「幼稚園」の時期(4歳~6歳)には学費・保育料を全額無料とし、実費徴収分のみで計算しています。保育料などが上限を超える場合は、「数値入力」を選択して超過分を加算した金額を入力してください。「保育園」の時期(3歳以下)で幼保無償化の支援金を受ける世帯は、「数値入力」を選択して、「幼稚園」の時期と同程度の実費徴収分、および上限を超過する保育料等の金額を加算して入力してください。副食費用が免除になる場合は、年額5万円程度を差し引いてください。
私立高校の授業料を実質無償化する、改正された「高等学校等就学支援金制度」が令和2年4月からスタートしています。文部科学省管轄の国の制度で、家族構成がモデルケースでの年収約590万円未満世帯の上限額が、全国私立高校の授業料の平均である年額396,000円に引き上げられ、実質無償化と言われています。実際の授業料と支給上限額の低い方が限度となり、上限額を超える分については保護者の負担となります。また、授業料以外の費用も保護者の負担になります。
また、東京都には、都内私立高校の授業料の平均額を考慮し、国の制度に上乗せして支援する独自の「私立高等学校等授業料軽減助成金制度」があり、上限が484,000円(令和6年度の金額)までプラスされ、令和6年度から所得制限がなくなりました。詳細は出典先にて確認してください。
さらに、東京都では、授業料以外の負担軽減制度として、年収約270万円未満の世帯(住民税が非課税または均等割のみの世帯、生活保護受給の世帯)には、「私立高等学校等奨学給付金制度」があります。子供の人数により、142,600円または152,000円(令和6年度の金額)の給付が受けられます。
他の自治体でも様々な独自の支援制度がありますので、お住いの自治体の制度を確認してみてください。また、支援金や給付金を受けるには申請が必要ですので注意してください。
ライフプランシミュレーションでは、「子どもの手当計算ツール」で高等学校就学支援金を、概算ですが自動で判定しますので、「その他の収入」の「借入金・非課税所得等」に収入として入力してください。なお、東京都の上乗せ支援が受けられる場合で、学校の選択を「私立」とした場合、全国平均の教育費を使ってシミュレーションしていますので、支給額は396,000円として入力してください。教育費を「数値入力」する場合は、支給額は484,000円を上限として入力してください。
(東京都の助成金制度の改定に伴い、2024/4/1内容更新)
(出典「私立高等学校授業料の実質無償化」について(文部科学省)(https://www.mext.go.jp/content/20200117-mxt_shuugaku01-1418201_1.pdf)
「私立高等学校等授業料軽減助成金(都の制度)」(東京都私学財団)(http://www.shigaku-tokyo.or.jp/parents_index.html)を元にライフプラン・シム作成)
1. 賃金上昇率はベースアップ率
「賃金上昇率」は、いわゆる「ベースアップ率」と言われ、労働者全体の賃金水準の上昇率を示すものです。厚生労働省の資料によると、一般労働者とパート労働者の平均時給の加重平均となっています。ここ数年は特にパート労働者の時給を中心に改善が見られていますが、20年前と比較して一般労働者の時給はほとんど上昇していないのが実情で、厚労省の統計によると2020年の賃金上昇率(右のグラフで使用)は平均で0.6%、2021年は-0.1%、2022年はインフレ圧力により1.4%、2023年は2.1%(2024/6/11 数値追加)となっています。
2. 賃金改定率は賃金上昇率と定期昇給率の合計
一方、一般労働者の賃金には、前年の年収に対して上昇する「定期昇給率」がありますが、賃金上昇率などと合算した厚労省の「1人平均賃金の改定率」(賃金引き下げ企業も含む)によれば、2020年の賃金改定率は約1.7%、2021年は約1.6%、2022年は約1.9%、2023年は約3.2%、2024年は約4.1%(2024/11/7 追加)となっています。
3. 賃上げ率と賃金改定率は算出母体が異なる
労使交渉などでは、ベースアップ率(賃金上昇率)と定期昇給率を合わせた「賃上げ率」の目標値が出てきますが、厚労省によれば、資本金10億円以上、従業員1,000人以上の労働組合のある企業の妥結額の賃上げ率は、2020年が2%、2021年が1.86%、2022年が2.20%、2023年は3.60%と30年ぶりの水準、2024年は5.33%と前年を大きく上回りました(2024/9/5 追加)。賃金改定率と賃上げ率では算出母体が異なることに注意してください。
4. インフレ率
次に「インフレ率」ですが、1980年ごろには5%程度あったインフレ率ですが、その後のバブル崩壊もあり2000年ごろにはほぼゼロになって、それ以降はデフレと言われてマイナスになり、ここ数年はやや改善したもののゼロ近辺に留まっている状況です。2020年は0%、2021年は-0.2%となっています。
しかし、ご存じのように、地政学的な要因により2022年春ごろから全世界的にインフレ傾向にあり、日本は若干緩やかなものの2022年のインフレ率は平均で2.5%と、2014年の消費税率引き上げによる影響を除けば30年ぶりの値となりました。そして2023年には3.2%と、さらに上昇しています(2024/6/11 追加)。このインフレがいつまで続き、どこまで上昇するかは見通せない状況ですが、賃金上昇率がどこまで追従するかも含めて、もうしばらくはウォッチするしかありません。
5. 賃金上昇率ほど上がらない年金収入
ところで、グラフを見ると、賃金上昇率とインフレ率は同じような傾向を示していることが分かります。そうすると、将来も収入と支出が同じように変動すると思いがちですが、実はこれに連動しないものがあります。それは年金収入です。年金も賃金に合わせて変動するものの、上昇率はある程度抑えられる仕組みになっています。したがって、インフレが続いて支出が増えても年金収入はそれほど増えないことになります。そのようなリスクがあることを知っておくことは重要です。詳しくは関連記事の「年金受給額の推移とインフレ下で低下する将来価値(将来の年金受給額)」 をご覧ください(2022/4/6 段落追加)。
6. インフレで目減りする資金
また、インフレ率が仮に0.5%として継続した場合に、将来の資金がどのような影響を受けるかをシミュレーションした「ライフプランシミュレーションの活用事例」~インフレが継続した場合に資金はどうなるか~ もありますので、ぜひご覧ください。(2022/8/8 段落追加)。
(出典:「賃金構造基本統計調査」(のうち「所定内給与額の推移/前年比」)(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html)、
「消費者物価指数」(のうち「中分類指数/前年比」)(総務省)(https://www.stat.go.jp/data/cpi/)を引用してライフプラン・シム作成)
火災保険において対象となる家屋が全焼した場合に支払われる金額として、火災保険契約で設定した金額を「保険金額」と言います。実際に支払われる保険金の額は、焼失の割合に応じて支払われます。なお、一般には時価額(「保険価額」)以上の保険金は支払われないため、保険金額としては保険価額を設定しますが、再調達価格を保険金額として設定できる特約もあります。これは自動車保険の車両保険でも同じです。また、あくまでも契約ですので、保険金額を低く設定することもでき、保険価額の80%以下に設定した場合は、支払われる保険金もその比率で低くなりますので注意が必要です。
家財についても同様のことが言え、保険金額を時価額よりも低く設定すると、実損額よりも少ない保険金しか出ないことになりますので注意が必要です。家財の時価額は意外と大きい金額になりますが、当然、保険金額を上げると保険料も高くなるので、見積もってもらい比較してみてください。
また、地震保険については、地震保険単独での契約はできず、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定し、しかも保険料は高く、契約期間は最長5年(火災保険は10年)で、契約更新のたびに保険料が高くなっています。火災保険と異なり、全損、大半損、小半損、一部損の4段階で保険金が支払われます。地震を原因とする火災に対しては地震保険でなければ保険金は出ず、大きな地震では家財も損壊する可能性もありますので、地震のリスクも含めて火災保険を考えてみてください。
一方、医療保険には、入院や手術に対して決められた給付金が支払われます。入院給付金は、契約によって給付条件があったとしても日数の制限程度ですが、手術給付金は、手術の種類によって給付条件や給付額が変わりますので注意が必要です。特に契約した時期によって給付条件が異なり、現在の医療保険では給付されないが、昔契約した医療保険では給付されるという場合もあります。口腔外科で手術した、内視鏡検査でポリープ切除したなど、手術を受けたら、約款で確認するか、保険会社(代理店)に確認してみることをお勧めします。
アセットアロケーション(以降AAと書きます)とは、訳すと「資産の割り当て」という意味になります。例えば金融資産を、生活するための資産(生活資産)、将来に備えるための資産(将来資産、又は安全資産)、運用して増やす資産(運用資産)に分けた時に、それぞれどういう割合にするかを示すのがAAであり、さらに運用資産の中で、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式などに、それぞれどういう割合で投資するかもAAになります。ここでは、金融資産のAA、特に運用資産の割合をどのように考え、運用資産をどう形成していくのかについて考えてみます。ちなみに、実際に保有している金融商品の組み合わせのことをポートフォリオと言います。
運用資産の割合はどれくらいが適正かという問いは、老後までに貯蓄がいくら必要かという問いに似ており、実際には人それぞれであって、どれくらいの期間でどれくらいの金融資産形成が必要か、どれくらいのリスク許容度があるか、などによります。こういったことは、個別にライフプランシミュレーションなどが必要となります。しかし、運用資産の割合の上限はどれくらいかという問いであれば、リスク許容度から考えることができます。例えば、ある運用資産のAAでは損失リスクが最大20%程度であったとすると、幾らぐらいの損失まで許容できるかを考え、その金額の5倍までを積立投資に回すという考え方などです。金融資産の5%まで損失を許容できるなら25%まで投資に回せると言うことになります。そうすることで、想定以上の損失リスクを減らすことができます。なお、運用資産のAAによって損失リスクも変わります。損失リスクが少ないなら、リターンも少ないですが、投資額は増やせます。
この場合の、運用資産の形成の仕方としては、若いうちは、貯蓄に回せる金額から近い将来使う予定のある分を除いて、残りの中から積立投資に回します。だんだん収入が増えていくことが見込めれば、多少リスクは負えるでしょうから、貯蓄額の増加に応じて積立額も増やして行きます。退職までに資産を増やすには時間が必要ですから、少なくとも20年前(40~45歳)、できれば30年前(30~35歳)から少しづつ始めることをお勧めします。時間があれば、ドル・コスト平均法と複利効果(分配金の再投資)による取得価額の低減という恩恵を受けることができます。(2022/9/27 下線部加筆修正)
中年以降に収入も増え子供も独立すると、徐々に運用資産、将来資産が積み上がって行きます。そして退職時にピークに達し、退職後は生活資産で足りない分を将来資産から取り崩して行きます。将来資産が減少したら、AAの比率を意識しながら運用資産も安全資産化して行きます(2021/4/13追加)。資産に余裕があれば、運用資産の比率を下げて安全資産化しても構いませんが、様々なリスクに備えて運用資産も一定割合で残しておくと良いでしょう。
ライフプランシミュレーションでは、今後50年間の金融資産残高の推移を折れ線グラフで表示しますが、同時に投資残高も表示しますので、金融資産の中の投資資産の割合や、将来の金融資産残高を見ながら、いつどの程度の積立投資をするかなど、何度でもやってみることができます。最初は、運用資産全体の期待利回り(例えば税引後3%程度欲しいなど)を決め、積立金額を決めてシミュレーションして、時系列での金融資産のAAを決定します。長期的な方向性が決まったら、期待利回りを実現する運用資産のAAを検討して、具体的な金融商品のポートフォリオを検討する、そのような順序で考えることをお勧めします。運用資産全体の期待利回りは、債券と株式、国内と外国の割合を調整することで変えられます。
アセットごとの過去の騰落率は、バランスファンドの目論見書などにも記載されていますので、参考にしてみてください。(2021/4/9追加)
なお、ライフプランシミュレーションでは、損失リスクは表示していません。長期の積立投資であっても、タイミングによっては元本割れを起こす可能性はゼロではないことを忘れず、ご自分の責任で判断して投資してください。
少子高齢化に伴う社会保障費の増大への対策として、75歳以上の後期高齢者の医療費自己負担割合を、1割負担(現役並み所得者3割負担)から、収入に応じて2割負担を設ける動きがあります。そもそも、現在の医療費、介護費用の自己負担割合がどのようになっているかをまとめてみます。
なお、収入と所得、課税所得の違いは、役立つコラムの「収入と所得と所得税」 をご覧ください。
(2021/3/25 文章では分かりにくかったため、医療費と介護費用の自己負担割合について表にまとめ直しました。)
ここに、医療費の自己負担割合として 75歳~ 2割負担、が2022年度後半から加わろうとしています。
もともと、医療費、介護費用の負担割合も、現役並み所得者の負担割合を増やしてきた経緯があり、今回もそれに準じた動きといえます。
年金を65歳から70歳、75歳まで繰下げ受給することで年金受給額は増えますが、徴収される税金、社会保険料が増えるだけでなく、医療費、介護費用の負担割合も増える可能性がありますので、注意が必要です。
(出典:「医療費の自己負担」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-37.html)、
「介護サービスを利用した時の負担割合が3割になります」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/000334525.pdf)を元にライフプラン・シム作成)
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