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    役立つコラムに新しい記事「相続財産の売却益にかかる税金と特例」を投稿しました。相続税を納めた場合であっても、相続財産を売却すると、売却益に所得税・住民税が課されます。ただし、一定の要件を満たせば、節税できる特例があります。詳しくは記事をお読みください。

    役立つコラムに新しい記事「相続財産の売却益にかかる税金と特例」を投稿しました。相続税を納めた場合であっても、相続財産を売却すると、売却益に所得税・住民税が課されます。ただし、一定の要件を満たせば、節税できる特例があります。詳しくは記事をお読みください。

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ふるさと納税


 2021/09/24

 [税金]

49

ガス器具の買い替えによる節約効果


 2021/09/21

 [ライフプラン]

48

冷蔵庫と照明の買い替えによる節電効果


 2021/09/14

 [ライフプラン]

47

自動車の動力の違いによる燃料代の差


 2021/09/07

 [ライフプラン]

46

購入可能なマイホーム価格


 2021/09/01

 [不動産]

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個人年金保険とiDeCo、つみたてNISAの比較


 2021/08/20

 [資産運用]

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REIT(リート)という不動産投資


 2021/08/11

 [資産運用]

7件/全113件

ふるさと納税
PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

 総務省の調べによると、2020年度の全国のふるさと納税受け入れ件数は約3,500万件(前年比1.5倍)で、住民税の控除適用者数は約550万人(前年比1.3倍)とのことです。つまり、約550万人の方がふるさと納税を利用しており、このうち半数がワンストップ特例制度(確定申告が不要になる制度)を利用しているとのことです。住民税の納税義務者は全国で約6,400万人とのことで、ふるさと納税の利用割合は8.6%、1人あたりの平均件数は6.4件ということになります。年々利用者数は増加傾向にあり、利用される方は複数件利用されているということが分かります。

 そもそもふるさと納税は、住民税の納税者がふるさとなどの自治体に寄付をすると、その自治体が予算ではできない活動などに利用し、一部はお礼として自治体から返礼品(平均は寄付額の3割前後)が贈られると共に、納税者にとっては、所得税や住んでいる自治体に納税している住民税が、寄付額-2,000円分軽減されるという仕組みです。これは、所得税の寄付金控除と言う税金の制度が基になっており、国や地方公共団体、日赤や政治団体への寄付に適用され、寄付額-2,000円が所得から控除される仕組みです。但し、年間総所得金額の40%を上限としており、また所得控除であるため、(寄付額-2,000円)×所得税率の金額が所得税から軽減されます。所得が控除されると住民税も軽減されます。住民税は税率10%ですので(寄付額-2,000円)×10%の金額が住民税から軽減されます(但し、年間総所得の30%が上限)。加えてふるさと納税では、これらの寄付金控除で控除しきれなかった金額が住民税から軽減されるという特例控除です。つまり、納税先が変わっただけでトータルの納税額は変わらずつまり、寄付の一部は所得税の軽減と言う形で還付され、2,000円を除く寄付の残りの部分は住民税の納税先が変わっただけで(2021/12/20 加筆修正)、実質2,000円でもっと多くの寄付ができるということになります。ただし、特例控除では住民税の所得割額の20%が上限となり、これを超えて寄付をすると超えた分は軽減されませんので注意してください。主なふるさと納税Webサイトでは、収入や家族構成を入力すると、凡その寄付可能金額が計算できます。

 なお、ふるさと納税を行った場合、寄付金控除を受けるためには翌年に確定申告が必要になりますが、給与所得者などで通常も確定申告が不要な方は、ワンストップ特例制度を利用すると確定申告は不要とできます。但し、ふるさと納税先の自治体数は5団体以内に制限され、所得税の軽減は行われず、その分も含めて翌年6月以降の住民税が減額される形で軽減されます。ふるさと納税先の自治体から返礼品と共にワンストップ特例制度の申請書が送られてきて、これに記入して翌年1月10日までに返送すれば手続きは完了しますので、5団体以内であれば簡単です。5団体を超える場合は確定申告が必要になります。

 以上の簡単な手続きでふるさと納税ができますので、趣旨に賛同できる方は、ふるさとに限らず、応援したい自治体、興味のある返礼品などを探して寄付をしてみるとよいと思います。返礼品も、基本はその自治体内でとれた物、作られた物などですので、それ自体も支援に繋がると考えられます。寄付はクレジットカードで支払うこともできますので、ポイントも溜まります。また、返礼品の無い災害復旧支援などのふるさと納税もあり、支援したい自治体がそのような寄付を受け付けていれば、実質2,000円でふるさと納税の控除限度額まで寄付をすることも可能です。

(出典元:「よくわかる!ふるさと納税」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/)を元にライフプラン・シム作成)


ガス器具の買い替えによる節約効果
PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

 節電について調べているうちに、ガスはどうなんだろうと思い、電気とガスの違いなどについても調べてみました。資源エネルギー庁(2018年調べ)によると家庭での用途別エネルギー消費は、照明・家電製品等(電気)34%、冷房(電気)3%、給湯(ガス/電気)28%、暖房(ガス/電気/灯油他)25%、厨房9%(ガス/電気)で、エネルギー源別消費は、電気51%、都市ガス22%、LPガス10%、灯油他17%となっています。都市ガスとLPガスは地域などで異なるため分かれていますが、1軒の家庭で見れば合計した32%がガスとみればよいでしょう(以下、ガスは都市ガスを指すものとします)。なお、用途別エネルギー消費の25%を占める暖房ですが、灯油他を含めた選択肢が多く、それぞれに特徴があり、使用条件によっても選択肢が変わってくると考えられるため、ここでは扱わないこととします。

 まず、世帯の平均光熱費を見てみると、総務省の家計調査(2019年調べ)によれば、電気が106,692円/年、ガスが49,644円/年、その他が12,852円/年となっています。また、CO2の排出量は、電気が0.445kg/kWhであるところ、ガスは2.21kg/m3(都市ガスのエネルギーを12.8kWh/m3で換算すると0.173kg/kWh)となっており、これを用いて家庭でのCO2排出量を求めると、電気が4,300kWh/年で約1,900kg/年、ガスが340m3/年で約750kg/年となります(LPガスでは値が異なってきます)。

 ガスを1として電気を比較すると、家庭でのエネルギー消費量では電気依存度が高く平均1.6倍、料金では2.2倍(深夜電力を利用すると少し下がります)、CO2排出量では2.5倍(家庭内でのロス分を含む)となり、電気への依存度が高いですが、電気の方がエネルギー単価が高く、CO2排出量も多いことが分かります。その理由を調べてみると、電気では発電所でのエネルギー変換ロスが60%(最新の高効率火力発電所は45%)、送電線によるロスが2%あり、実際に家庭に届くエネルギーは38%程度に過ぎないことです。一方、ガスは燃料を直接家庭に届けるためロスがなく、燃焼によるエネルギーロスは給湯器などで20%程度で、ここに電気とガスの差があります。もちろん、太陽光発電などで自家発電すれば、CO2排出量は改善できますし、電気はガスと比較して安全度が高く、扱いやすいなどのメリットがありますので、条件によってうまく使い分けることが家計にも地球環境にも優しいと言えそうです。

 このような特徴を踏まえると、用途別エネルギー消費で28%を占める給湯はガスで賄うのが効率が良いと言えそうですが、通常のガス給湯器ではエネルギー変換効率が80%のところ、エコジョーズの給湯器に切り替えると95%まで改善でき、給湯器で使用するガス使用量、CO2排出量を15%程度削減できます。エコジョーズの給湯器は、通常の給湯器より13%~23%程度(24号で3~6万円前後)価格がアップしますが、ガス使用量の6割の用途が給湯だとすると、平均的な家庭で4,500円/年程度の節約になりますので、10年前後でエコジョーズ給湯器の価格アップ分は回収でき、しかもCO2削減に貢献できます。平均を上回る使用量のご家庭の場合はさらに効果が上がり、費用回収期間も短縮できます。給湯器がそろそろ寿命を迎え、交換を考えている方は検討してみるとよいでしょう。

 なお、電気式の給湯器では、深夜電力を活用したエコキュートという高効率な給湯器(エアコンや冷蔵庫と同じヒートポンプ方式)があります。貯湯タンクが必要なため、戸建てなどでは選択肢として考えられますが、一般的な条件でのエコジョーズとの優劣の比較は難しいと思われるため、ここでは扱わないこととします。それぞれのご使用条件でどちらが適しているかなどはご自分でお調べください。また、最近ではガスと電気のハイブリッド給湯器という、それぞれの長所を合わせ持った超エコな給湯器も登場しており、いろいろな選択肢を検討されるとよいでしょう(2021/9/24 一文追加)。

 次に、ガスコンロですが、熱効率は45%前後と低く、熱効率が90%程度のIHクッキングヒーターと比較すると半分程度に落ちるため、ガスコンロとIHでは料金もCO2排出量も同程度と考えられます。ただし、旧式のガスコンロと比べて最新の高効率ガスコンロは10%程度熱効率が改善したりしますので、ガスコンロの買い替えの際には検討されるとよいでしょう。また、炎が鍋ややかんの外に広がり過ぎるとエネルギーのロスになりますので、強火にし過ぎないよう注意することが節約につながります。ガスコンロにするかIHクッキングヒーターにするかは、火力や使いやすさ、機器代、工事代などで選ぶとよいでしょう。

 なお、できるだけ中立な立場で試算していますが、特に料金に関しては料金プランなどの前提条件によって結果が多少異なってくると思いますし、エネルギー変換効率も年々向上して係数も変わりますので、あくまでも現時点での一つの試算として参考にしてください。少しでも家計とCO2排出量削減のお役に立てれば幸いです。

(出典元:「省エネって何?」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/what/)

「温室効果ガス排出量 算定方法・排出係数一覧」(環境省)(https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc)

「家計調査」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/index.html) 他を元にライフプラン・シム作成)


冷蔵庫と照明の買い替えによる節電効果
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 環境省の調べによると、家庭の電気使用量の中に占める割合が最も高い順に冷蔵庫が約16%、照明が約14%にもなるそうです(2013年調べ)。世帯当たりの年間平均電気使用量は4322kWh、料金にして約106,000円です(2017年調べ)。このうち照明と冷蔵庫で31,800円にもなります。

 まず冷蔵庫ですが、容量によって年間消費電力量は異なりますが、資源エネルギー庁の調べによると、容量401L~450Lのクラスでは、2009年販売の冷蔵庫(490~550kWh/年)と比較して、2019年販売の冷蔵庫(293kWh/年)では40%~47%の省エネになるとのことです(カタログ値ベース)。これより容量の大きい451L~500Lも含めて、ハイエンドモデルと言われる売れ筋製品であり、価格帯は高めになりますが、最新テクノロジーが投入されるため省エネ度も高くなっています。仮に、200kWh/年の節電になると約5,000円/年の節約になり、15年で75,000円の節約になります(実際の節電量は、冷蔵庫の設置状況、利用状況などに寄ります)。CO2削減量でいうと、200kWh×0.445kg/kWh=89kg/年の貢献になります。10年~15年以上経った冷蔵庫があるご家庭は、まず現在の冷蔵庫の年間消費電力量を調べてみると良いと思います。ドアの内側などに記載されていると思います。

 次に照明ですが、照明全体で見るとLED化率は50%程度と推定されるとのことで、現時点で既に白熱電球を新規購入できませんが、ダウンライトを始めとする家庭の白熱電球を積極的にLED電球に置き換えることで、どの程度の節電になるか試算してみました。照明のワット数は大抵の場合、白熱電球で40W形(消費電力36W)、60W形(54W)、100W形(90W)のどれかだと思いますが、これをLED化すると消費電力はおよそ1/6となり、それぞれ約6W、約9W、約15W程度となります(最近では1/10程度となるLED電球が主流になっており、さらに節電効果が期待されます 2021/9/21追記)。最も長い時間点灯するリビングの場合、仮に60W×3個の照明を年間3,000時間(8.2時間/日相当)点灯すると仮定すると、年間消費電力量は白熱電球で486kWh/年、LED電球で81kWh/年となり、年間405kWh/年の節電、約10,000円/年の節約になります。CO2換算では184kg/年の削減になります。廊下のダウンライトや、風呂、トイレ、洗面所などの使用時間は年間平均200時間(0.5時間/日相当)、これらも全て60W形で合計10個の照明があると仮定すると、白熱電球で108kWh/年、LED電球で18kWh/年となり、年間で90kWh/年の節電、約2,300円/年の節約になります(2021/9/15 400時間→200時間に見直して再計算しました)。合計すると、495kWh/年の節電、約12,400円/年の節約になり、225kg/年のCO2削減になります。平均しても電球1個当たり950円/年程度の電気料金の節約になりますので、LED電球代は2年もあれば回収できる計算になります。

 実際には、リビングの照明は既に電球型蛍光灯になっているご家庭も多いと思いますが、その場合はLED化によって消費電力は3/4~2/3になります。蛍光灯型電球で108kWh/年ですから、LED化により27kWh/年の節電、約700円/年の節約、12kg/年のCO2削減になり、他の白熱電球と合計すると、117kWh/年の節電、約3,000円/年の節約、53kg/年のCO2削減になります。

 最近は、一般的なシリカ電球だけでなく、ミニクリプトン電球、シャンデリア電球、ハロゲン電球など、様々なタイプのLED電球が販売されており、いろいろな箇所の照明をLED化できるようになってきています。ただし、LED電球によってはダウンライトなど、熱がこもる環境では使用できないものがありますので、よく確認して選んでください。また、白熱電球に似た「電球色」を選んでも、照度や色味、光の拡散の仕方などがメーカーやタイプによっても異なり、雰囲気が変わりますので、実際にお店の展示で比較して、一度に購入せずに少しづつ試してみながら、使用頻度の高い照明から順にLED化を進めるとよいでしょう。ただし、調光器対応のLEDであっても、光量を下げるとたまに”ちらつき”が気になる場合があります(メーカにもよる)ので、失敗したくない方は最初から調光機能付きLED照明器具への交換を検討された方がよいかもしれません(2021/9/27 一文追加)。なお、LED電球の寿命は40,000時間と言われており、年間3,000時間使用する箇所で13年程度、200時間使用する箇所ではLED以外の部分が劣化して故障するまでは気にせず使えることになりますので、電球の交換も少なくなります。

(出典元:「機器の買換で省エネ節約」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/)他を元にライフプラン・シム作成)


自動車の動力の違いによる燃料代の差
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 自動車は、環境への影響と言う点では身近な存在で、自動車メーカー各社ともガソリンエンジンの燃費向上、ダウンサイジング化、ディーゼルエンジン化、モーターとのハイブリッド化、そしてEV化へと進化してきました。日本でも2030年半ばには、新車の100%を電動車にする方針が掲げられ、大きな変化を感じる時が近づいています。ここでは家計的な観点から、これらの動力の違いによる燃料代の差について試算してみました。

 燃料代の差は走行距離に比例して増えていきます。そこで、1台の車に乗り続ける間の総走行距離によって、燃料代がどの程度違うかを比較してみました。動力の違いにより、使う燃料の小売単価や燃費(電費)が異なることから、まず現在の小売単価(資源エネルギー庁資料から引用)と一般的な燃費(電費)の値から、距離単価(円/km)を比較しています。距離単価でみるとEV<ハイブリッド<ディーゼル<ガソリンの順になりました。従って、総走行距離での燃料代もこの順に増えていきます。下の表は、ガソリン車を基準として、総走行距離によりどれだけ燃料代が節約できるかを示しています。ただし、燃費も自動車メーカーや動力の出力によっても異なり、すべてのケースに当てはまるわけではありませんので、一つの目安としてお考え下さい。また、電気については昼間の電気料金の平均値を適用しており、夜間電力は約半分になりますが、EV充電スタンドなどを利用する場合は別に基本料金などが必要になるため、利用状況によって変動があります。ご自分が買いたいと思われている車の燃費や充電料金などの値を当てはめて計算されても良いでしょう。

 一方、ディーゼルエンジンの搭載やモーターとのハイブリッド化、さらにはEV化によって、自動車の車両価格も異なってきます。もちろん、動力性能や内装、装備のグレードの違いや、走行時のCO2削減量の違いなどもあり、単純には比較できませんが、ガソリン車からの車両価格のアップと、燃料代の節約額、EV補助金などとの比較で、納得感が得られるかの参考になるかと思います。

 また、走行時のCO2排出量については燃費から計算でき、上記で用いた一般的な燃費を適用すると、ガソリン車で129g/km、ハイブリッド車で86g/km、ディーゼル車で117g/km(ガソリンは2.32(kg/l)/燃費、ディーゼルは2.58(kg/l)/燃費で計算)、EVはゼロとなり、距離単価と同じ順序になります。なお、走行時だけでなく、自動車や燃料/電気を生産する際や輸送などで発生するCO2も加味した、LCA(ライフサイクル・アセスメント)で評価するという考え方もあります。現時点では、自動車のライフサイクルトータルで発生するCO2が、総走行距離が少ないと、EVやハイブリッド車はガソリン車よりも多いという現実もあるようですので、そのあたりも色々調べて考えてみるのもよいでしょう。技術のブレークスルーや量産効果によってEVの車両価格やLCAでのCO2排出量が下がる日もそう遠くないかもしれません。


購入可能なマイホーム価格
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 そろそろマイホームが欲しいと思った時に、まず始めに自分はいくらくらいの物件が買えるのだろうかと考えると思います。それが分かれば、自分が住みたい沿線のどのあたりの駅になるか、駅からの時間は、・・・と言うように具体的な物件探しに進むことができます。殆どの方が生まれて初めて住宅ローンを借りて購入すると思いますが、住宅ローンを無理なく返せるかということが最も気になると思いますので、そのあたりを中心に考えてみましょう。

 マイホームが欲しいと思う方は、大抵の場合、賃貸住宅に住んでいると思います。会社の社宅に住まわれている方も、住宅補助がある方も、家賃を支払っていると思います。まず知ることが重要なのは、現在、家賃をいくら支払っており、住宅購入のために月々いくら積立てられているか、今までにいくら積立てられたか、その結果として余裕がどれくらいあるかということです。ここで余裕とは、特に使い道が決まっておらず月々貯蓄に回している金額と、実際に蓄えた使い道の決まっていない貯蓄額です。これらは現在の生活に基づいた実績ですから、これらを基準に考えることが無理なくマイホームを購入するための最も確実な方法です。とは言え、家族がいる場合は年と共に支出額も変化し、収入も変化します。この変化が激しい時期が過ぎて、子供の大学教育費を学資保険や積立てで確保しつつ、将来に渡って生活費が見通せる時期に来れば、住宅ローンの返済リスクも少なくなりますが、特に変化が激しい時期にマイホームを購入する場合は、ライフプランシミュレーションをして、どの程度のリスクがあるか確認することをお勧めします。

 そして具体的には、前述の家賃+住宅購入のための積立て額は住宅ローンに回すことができます。この金額をここでは「住宅ローン返済限度額」と言うことにします。住宅関係でも、光熱費や火災保険料などはマイホームでも掛かるため、住宅ローンの支払には回せません。しかも現在よりも広い住宅を購入する場合は、光熱費や火災保険料は増えますし、地震保険や家財にも新たに保険を掛ける場合はさらに増えます。また、管理費だけでなく、マンションの場合は修繕積立金が掛かりますし、戸建ての場合は自分で修繕費を積立てなければならないため、これらの分も考慮する必要があります。車を持っている場合は、駐車場代が現在より上がる場合もあるでしょう。このあたりは、余裕分として貯蓄している金額から回せますが、それができない場合は、住宅ローン返済限度額を減らしたり、車の所有をあきらめなければなりません。逆に、余裕分から回しても残る場合は、住宅ローン返済限度額を増やすこともできます。どこまで増やすかは自由ですが、増やし過ぎるとリスクになりますので、あまり無理をしないことです。気になる場合は、ライフプランシミュレーションで確認するとよいでしょう。なお、ボーナスは景気の影響を受けやすいため、含めて考えないことをお勧めします。

 住宅ローン返済限度額、返済期間、利率が分かると、住宅ローンとして借りられる元本が資産運用ローン計算ツール」 で求められます。「現価を求める計算」を使用し、返済期間と金利を入力し、計算方法として「年金現価係数」を選択し、「終価」に返済額(年額)を入力して「現価の計算」を実行してください(2023/2/24 修正)。ここで、返済期間は、まずは退職予定年齢を超えないように設定してください。例えば現在40歳で、退職予定年齢が65歳と考えるなら、ローン返済期間は長くても25年と考えてください。それ以上に設定する場合は、ライフプランシミュレーションを行い、老後に資金不足にならないか確認することをお勧めします。そして、住宅購入のために使える貯蓄額と、住宅ローン元金を加えた金額が、住宅購入資金となります。ここで、貯蓄が頭金になりますので、諸費用も考えると住宅購入資金の20%以上が貯蓄となることが望ましいでしょう。さらに、余裕分として貯まった貯蓄からも回せますが、最低でも収入なしで6ヶ月程度暮らせる金額は残してください。

 マイホームの購入には、物件価格の他に、一般的に物件価格の3~10%の諸費用が掛かります(詳細は役立つコラムの「住宅購入時にかかる諸費用」 を参照してください)。住宅購入資金から諸費用を除いた分が購入可能な物件価格となります。この物件価格を基に物件を探しても納得の行く物件が見つからない場合は、住宅購入資金がどの程度増やせるか、余裕資金から回せるか、生活費を切り詰められるか、返済期間を伸ばせるか、などを検討することになります。くれぐれも無理な設定はしないようにしてください。生活費を切り詰める場合は、実際に先に切り詰めて、住宅購入用の積立て額を無理なく増やせるか、確認することをお勧めします。

 住宅ローンの借入限度額などから給与の何%以下とか、給与の何倍までの物件なら購入できるとか言われますが、現在の生活レベルから借りられる限度額を求めた方が実感がわくと思います。また、若いと収入自体もまだ少ないため、納得のいく物件が見つからないこともあるでしょう。親から支援が得られるなどを除いて、あまり無理をして早くからマイホームに拘らず、特に変化の激しい時は賃貸住宅で柔軟に暮らし、将来がある程度見通せるタイミングを待つことも考えてみたらどうでしょうか。マンションや戸建てにも耐用年数があり、長く住むと補強やリフォーム、建替え、あるいは住み替えなども考えなければなりません。そういったことも頭の片隅に入れて、買うタイミングを考えてみてください。


個人年金保険とiDeCo、つみたてNISAの比較
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 保険商品に個人年金保険がありますが、若いうちに積立てて置き、定年退職後に一定額を年金で受け取るタイプの保険です。受取年金額と受取期間が確定した「確定年金」などの一定の要件のもと、所得税の課税所得から最大で4万円(住民税は最大で2.8万円)の保険料控除が受けられます。例えば、年間36万円の保険料を20年間支払う場合で、所得税の税率が20%の人は、4万円×所得税20%+2.8万円×住民税10%=10,800円/年の税金が減額され、20年間で21.6万円の保険料軽減になります。一方、年金受取時には年金額×(1-保険料総額/年金総額)=運用益を雑所得に合算して、所得税、住民税が課税されます。また、確定年金の場合、年金受取期間中に本人が死亡しても遺族が受け取ることができます。このような特徴がありますが、昔と比べて個人年金保険の予定利率が低下しており、保険料が割高に感じられる場合もあるかもしれません。

 そこで、個人年金の選択肢として、iDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISA(2024年以降に始める場合は、新NISAのつみたて投資枠(2023/12/6 追記))を個人年金保険と比較し、その特徴を整理してみました。これらは、個人年金保険と異なり、利率は選択したファンドの成績に依存し、保証されないため、将来の受取年金額が確定しないものの、選択するファンドによっては、個人年金保険を超える利率も期待できます。

 表に、それぞれの個人年金の具体的な計算例を記載しています。毎月3万円づつ20年間積立て(元金720万円)、期待利率を3%(但し、運用コストをそれぞれ0.5%と仮定)とした場合の、個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAの3つの個人年金を比較しています。但し、この計算例は、あくまでもイメージを掴んでいただくためのもので、条件等は仮定の値であり、実際の商品を当てはめたものではなく、個人個人の所得状況によっても異なりますので、ご了解ください。

 まず、個人年金保険は、年金額が確定していて、将来の計画が立てやすいメリットがありますが、契約で受取開始時期が決まっており、早期に解約すると、解約返戻金が払い込み保険料を下回る場合があります。また、前述の通り、受取年金額が確定している分、予定利率は若干低めに設定されており、この例のような高予定利率の円建て個人年期保険は、現在ではなかなか期待できません。運用結果によって受取額が増減する変額個人年金保険や、円建てより予定利率が高い外貨建て個人年金保険などのリスクのある個人年金保険もありますが、ここでは、課税や所得控除などの基本的な違いを比較するために、円建ての個人年金保険を代表とし、比較することにします。

 iDeCoは、掛金に上限(企業年金、企業型確定拠出年金を実施していない会社員で月額2.3万円など)があるものの、掛金は社会保険料として全額所得控除されるため、実質的に保険料を下げるメリットがあります。また、運用中は非課税であるため、税引後返戻率(税引後年金総額/(積立総額-節税総額))で見ても、最も効率が良いと言えます。但し、60歳以上にならないと受取れない制限があり、また受取時には全額が雑所得とみなされます。このため、他の公的年金と合算して年金控除の対象となるものの、それを超える分は課税所得になることから、他の公的年金が年金控除額を既に上回っている場合、iDeCoで受け取る年金は全額課税対象となります。さらに、他の所得との合算額が多いと税率も上がります。また、計算には含みませんが、課税所得が増える分、社会保険料も増加し、70歳以上の場合には、医療費や介護費用の自己負担割合の増加に繋がる可能性もありますので、年金受取り時期には注意してください。定年退職後、公的年金を受け取るまでのつなぎの収入、あるいは自営業などで公的年金受給額が少ない場合に適していると考えられます(2021/11/9 一部加筆)。

 つみたてNISAは、現状では2042年まで新規購入が可能な制度となっており、積立額が年間40万円に制限されますが、運用益が非課税(購入から20年間での運用益は、20年後以降も非課税)になることで、年金額を上積みすることができます。つまり、遅くとも2023年から始めれば、最大20年間非課税で積立てられ、最大20年間非課税で運用しながら年金を受け取ることができます。2024年以降、新NISAのつみたて投資枠に制度変更になります。新NISAのつみたて投資枠を利用すれば、非課税期間は無期限、積立額が年間最大120万円、通算で1,800万円まで積み立てることができます。運用しながらの年金の受け取りも無期限で運用益が非課税になります。受取った年金も非課税のため、社会保険料も増加しません。また、急にお金が必要になったとしても、年齢にかかわらずいつでも取り崩すことができます。なお、これまでのつみたてNISAは、2024年以降は新規購入ができませんが、購入時から20年間はそのまま非課税で保有でき、売却も可能です。(2023/12/6 下線部加筆修正)。

 以上の特徴と、他の公的年金額や所得、必要な個人年金額などを考慮して、どの実現方法が自分に合っているか、比較検討されると良いと思います。個人年期保険と異なり、iDeCoでもつみたてNISAでも、長期の積立て運用は比較的安定であるとは言え、元本割れのリスクも全く無いわけではありません。基礎的な生活費は終身年金である公的年金や、他の所得で賄い、健康寿命を謳歌するための余裕資金などとして個人年金を活用することをお勧めします。なお、安定的な長期運用を目指すためには、バランスよく株式、債券などの国内/外国のインデックスファンドを組み合わせることが重要であり、ファンドの安全性とコストも重要ですから、純資産額が大きく、信託報酬が低いファンドを選ぶとよいでしょう。目論見書を確認し、それぞれのファンドの実績を参考にして、期待利率に近づくようポートフォリオ(構成比率)を検討してください。一定金額を毎月購入し、分配金がある場合は再投資する設定にすることをお忘れなく。また、1年に一度程度確認し、構成比率が大きく崩れた時は、購入比率を変更するなどしてリバランスを行うとよいでしょう。

 なお、ライフプラン・シムでは、どなたでも使える「資産運用計算ツール」 をご提供しており、年金原資や年金額を求めることができます。まず、終価を求める計算で「現価」に年間積立額を入力し、「期間」と「利回り」を入力して、「計算方法」で「年金終価係数」を選択し、「終価の計算」を実行すると、積立期間後の年金原資額が求められます。次に、「現価」にこの年金原資額を入力し、年金受取りの「期間」と、受取期間中の「利回り」を入力して、「計算方法」で「資本回収係数」を選択し、「終価の計算」を実行すると、毎年の受取り年金額が求められます。実際には、ここからそれぞれの方法で税金が引かれることになります。ご自分の個人年金を計画してみてください。


REIT(リート)という不動産投資
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 ワンルームマンションなどを購入して家賃収入を得る不動産投資は、金融投資と比較して一般的には利回りが高いと言われます。ただし、不動産の賃貸事業には、ある程度のまとまった初期費用が必要なのと、不動産業者に管理を依頼すればある程度フリーになるとは言え、1室だと空き室になって家賃収入がなくなる可能性や、突発的に掛かる修繕費用、不動産業者や賃借人とのトラブルなど、金融投資にはないリスクがあります。そもそもどのような物件を選べばいいのかから始まって、全くの素人にはハードルが高く、特に時間の余裕が無いと踏み出せなかったりします。

 そんな不動産初心者向きの不動産投資としてREIT(リート)があります。REITは投資家のお金を集めて不動産に投資を行う投資信託で、投資法人が運用して上場するものと、信託銀行が運用するものがあります。現物の不動産投資には及ばないものの、3~4%/年程度の高い分配金利回りが期待できる特徴があります。但し、稼働率や負債の利率などの影響を受けて、分配金が増減する場合があります。また、投資家による売り買いも簡単で活発な分、投資口価格は現物の不動産そのものよりも変動するもので、元本割れを起こすこともあります。大きくは不動産市況や世界経済、金融政策等の影響も受け、これまでも株価と同程度の変動をしています。

 また、REITは色々な種類の不動産が対象になっています。例えば、賃貸オフィス、物流施設、大規模商業施設、賃貸住宅、ホテル、介護施設などを主として保有するものや、それらを組み合わせて保有するものなどがあります。選ぶ時は株式と同様、収益や当期利益、負債、稼働率の推移などの業績、需給状況、投資口価格、分配金の推移、金利や不動産市況などは十分に確認して、高値で掴まないよう注意してください。購入タイミングに自信がない時は、分割して時間をおいて購入(積立て)するのも一つの方法です。また、東証に上場のREIT全銘柄(J-REIT)の時価総額加重平均である東証REIT指数に連動したETF(上場投資信託)などもあり、若干の信託報酬は掛かりますが、3%/年程度の分配金利回りが得られますので、どのREITを選ぶのか難しい時はこのようなインデックス型のETFを選んでもよいでしょう。

 REITを売買する際には上場株式と同様の扱いとなり、購入口数単位で指値・成行注文により売買します。売買する際に手数料が掛かりますので、特に購入口数が少ない場合は、コストの安いネット証券などを利用するとよいでしょう。また、「るいとう」(株式累積投資)による購入を除いて1口単位の購入のため、投資信託のようにドルコスト平均法を期待して定額で積立てるということはできませんが、NISAで購入して分配金や譲渡益を非課税にすることは可能です。また、投資口価格が低いREITやETFであれば、分配金での再投資が比較的しやすいというメリットもあります。なお、指値・成行注文が難しい方、ドルコスト平均法で購入したい方、分配金を都度再投資したい方は、ETFより信託報酬は高くなりますが、複数のREITに投資する投資信託という選択肢もあります。

 その他、REITと株式で大きく異なる点は、確定申告して分配金を所得税の総合課税扱いにしても、配当控除は得られないことです。株式の配当金は、当期利益に法人税が課税された残りから分配されることから、二重の課税を避けるため、一定の要件を満たせば所得税の配当控除が受けられますが、REITの分配金は法人税が課税されていない収益から分配されているため、配当控除は受けられません。

 なお、本記事は、現物の不動産投資よりも手軽に始められるREITという不動産投資について説明したものであり、投稿時点での購入を勧める意図はありません。また、分配金利回りは投稿時点での概算値であり、常に保証されるものではありません。投資口価格は変動し、元本割れをする可能性があります。購入はご自分で判断してください。

 投資は、損も益も少しづつ経験しながら学んで、10年、20年かけて積み上げながら、自分に合った投資先、やり方を見つけることをお勧めします。


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