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保険の代理人の登録


 2023/06/27

 [保険・医療]

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車両保険はどんな場合に必要か


 2023/06/08

 [保険・医療]

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後期高齢者医療制度の保険料の推移


 2023/05/26

 [保険・医療]

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リフォームで活用できる減税制度


 2023/05/23

 [不動産]

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新NISA(ニーサ)の改正点


 2023/03/29

 [資産運用]

7件/全110件

保険の代理人の登録
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 死亡保障が付いた終身保険や医療保険は、死亡保険金の受取人を指定することで、被保険者が死亡した際に、保険という資産を受取人に遺贈することができます。死亡保険金は他の相続財産とは区別され、相続人による遺産分割の対象にはならず、特定の人に遺贈できることから、遺言書の役割も果たしていると言えます。

 死亡保険金については、受取人が保険金の請求の手続きを行えますが、個人年金などの保険金や医療保険の給付金のように、受取人を被保険者本人にしている保険は注意が必要です。保険金、給付金の請求は受取人である被保険者本人が手続きをする必要があります。万一、被保険者本人の認知機能が低下したり、意識が無い状態になるなどして、保険金、給付金の申請の判断、手続きができなくなった場合には、保険金や給付金を受け取れない可能性があります。

 そんな場合に備えて、保険には指定代理請求制度が用意されています。”指定代理請求特約(被保険者代理特約)”は、被保険者本人の一定範囲の親族(配偶者、直系血族など)を代理人として登録することで、年金や給付金の請求を本人に代わって行うことができるようになります。

 終身保険の場合は、死亡保障のためだけでなく、長期に運用しながら必要な時に解約して、増えた解約返戻金を受け取る資産運用も兼ねています。契約者が解約の判断、手続きができなくなった場合には、家族が代わりに解約しようと思っても解約できません。

 ”保険契約者代理特約”では、代理人を登録すれば、契約内容の変更や解約を行うこともできます。つまり、本人が判断できなくなった場合に、当該保険に限定した任意後見制度の代わりの役割を果たしていると言えます。2つは異なる特約ですので、それぞれ登録する必要があります。

 保険会社によっては特約ではなく、契約時に指定する場合もありますが、特約の場合でも保険料がかかるわけではありませんので、そのような制度が用意されている保険であれば、万一に備えて登録しておくとよいでしょう。ただし、トラブルを避けるためには、信用できる人を指定することです。

 なお、類似のサービスとして”家族登録制度”があります。家族を登録すると、契約内容、手続き方法の問い合わせや、書類の取り寄せなどができますが、代理で給付金を請求したり契約内容を変更することはできません。それでも、保険会社から本人に連絡がつかない場合に登録家族に連絡が来たり、複数人を登録することができるため、バックアップ的な制度と言えるでしょう。

 長期契約の保険は、年に1度、保険契約内容の確認があります。その際に、被保険者代理人、契約者代理人などが登録されているか確認してみてください。最近ではネット上で契約内容の確認ができ、代理人の登録もできる保険がほとんどです。これを機会にご自身のアカウントにログインして代理人を確認し、未登録でしたら登録してみたらいかがでしょうか。なお、登録にあたっては、代理人の口座に振り込むことができるかなど、事前にそれぞれの保険の約款や請求手続きをよくお確かめください。


エアコン買い替え時の省エネ性能(運用コスト)を含めた比較
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 2023年の夏も、気温は平年並みか高くなりそうで、在宅勤務中や就寝中にもエアコンは欠かせなくなりそうです。その一方で、電気料金は6月1日から値上げされており、東京電力の料金単価表によると一般的な従量電灯B契約では、1ヶ月の電力使用量120kWh~300kwhの第2段階料金が26.5円/kwhから36.6円/kwhに38%アップ、300kwhを超える第3段階料金が30.6円/kwhから40.69円/kwhに33%アップしています。一般的に、エアコンなどの冷暖房機器を使用しない時期の1ヶ月の電力使用量は、2人家族で200kwh前後であり、エアコンの電気料金は第2段階料金、もしくはその上の第3段階料金が適用されます。

 エアコンには省エネ性能を表す指標があり、最近では2027年度目標に対して何%達成しているかを示す省エネ基準達成率と、数値が大きいほど効率が良いことを示す通年エネルギー消費効率(AFP)、AFPの数値によって5段階の☆と評価点で表す省エネ性能(多段階評価点)、年間目安電気代などがあります。簡単に比較するには、☆の数と年間目安電気代を利用するとよいでしょう。

 資源エネルギー庁によると、年間目安電気代は東京の外気温を想定し、平均的な南向き木造住宅において、1日18時間(6:00~24:00)の運転、冷房は5月23日~10月4日(135日)、暖房は11月8日~4月16日(160日)の使用条件で算出したものになっています。寒冷地などでは、地域係数(札幌では3.1など)を掛けて補正する必要があります。この年間目安電気代の単価には、値上り前の第2段階料金が使用されており、この単価を掛ける前の消費電力量が、上記の使用条件で算出した期間消費電力量と言われるもので、エアコンのカタログなどに記載されています。

 エアコンや冷蔵庫などの家電製品は、上位機種ほど省エネ性能が優れている傾向にあり、標準機種と比較して価格は高くなりますが、年間目安電気代は低く抑えられます。通常の使用で10~15年ほど使用できるため、エアコンの価格と使用年数での電気代を合計すれば、初期コストと運用コストを合わせた比較ができます。一般的には寒冷地ほど電気代が増加しますが、算出の使用条件より使用時間が短い場合は電気代は減少します。また、2023年現在表示されている年間目安電気代は、値上り前の単価で算出されており、値上り後は38%上昇しますので、この状態が続くあるいはさらに値上りすれば、上位機種の方がお得になりやすくなります。

 参考ですが、例えばリビングなどのメインで使用する最も大型のエアコンの、実際の年間消費電力量を概算で算出する方法をお教えします。各月の電力使用量を見ると季節によって変動があり、秋が最も少なくなります。この秋の電力使用量は、冷暖房機器以外の通常の電力使用量ですから、これを超過する各月の電力使用量が、主に冷暖房機器による消費電力量ということになります。この消費電力量には地域による差なども含まれます。厳密には、複数台のエアコンを使用したり、エアコン以外にも扇風機やヒーターなどを使用する場合はその分も含まれますので、必要に応じてそれらの分を割り引いてください。もちろん、おおよその1日の使用時間×使用期間(日数)を期間消費電力量の使用条件と比較して補正し、地域係数を掛けても求められます。

 このようにして、現在のエアコンの年間消費電力量の概算を算出して、そのエアコンの期間消費電力量(カタログ値)で割った稼働率を求めます。次に、買い替え候補のエアコンの期間消費電力量にこの稼働率と電気代単価を掛けて、10~15年間の電気代とエアコンの価格を合計した金額で比較します。稼働率には、この先の10~15年で在宅時間が増えるか減るかなどの生活様式の変化も加味するとよいでしょう。くれぐれも、表示されている年間目安電気代を鵜呑みにして計算せず、ご自宅の使用条件を加味して計算してください。ただし、あくまでも目安であることを理解の上、ご利用ください。

(出典:「エアコンを選ぶときには必ずチェック、統一省エネラベルを見てみよう!」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/retail/pdf/touitsu_shoene_label_221001.pdf)を元にライフプラン・シム


車両保険はどんな場合に必要か
WikiImagesによるPixabayからの画像

 マイカーをお持ちの皆さんは任意保険に入られていると思いますが、車両保険を付加されていますでしょうか。車両保険はやや高額であるのと、保険金を受け取ると割引等級が下がって保険料が上がるため、高額な修理以外には使えず、運転に自信がある方ほど必要ないと思われるでしょう。しかし、車両へのリスクは衝突以外にもありますので、当てはまるかどうかを一度確認してみてはいかがでしょうか。

1. 車両保険の適用ケース

 一般的に、車両保険は次のような場合に適用されます。①自動車との衝突・接触、②自動車による当て逃げ、③火災・爆発、④盗難、⑤騒じょう・労働争議などによる暴力行為・破壊行為、⑥台風・竜巻・洪水・高潮、⑦落書き・いたずら・窓ガラス破損、⑧飛来・落下物との衝突、⑨歩行者・自転車・動物との衝突・接触、⑩電柱・ガードレール等との衝突、⑪墜落・転覆です。ただし、損害保険会社によって、それぞれに条件を追加することで保険料を下げている場合もあるため、契約時に確認する必要があります。

2. 車の保管場所や環境に注意

 こうしてみると、自身の運転によらないもの(②③④⑤⑥⑦⑧など)が半分以上あることがわかります。特に、車を保管する場所や環境に依存しそうなものとして、②自動車による当て逃げ、④盗難、⑦落書き・いたずら・窓ガラス破損、⑧飛来・落下物との衝突などがあります。道路に面していて車や人の通行量が多い場所や、保護できるものなどがなく誰でも近寄れたり、逆に人通りが少なく奥まっていて監視の目が届かないなど、リスクの種類と度合いによって考えるのが良いと思います。
 観光地の駐車場に停めておいたら、隣の車のドアなどが当たって凹んでいた経験もありますが、軽微で車両保険を使うほどではないことも多く、そこまで心配する必要はないとは思います。

3. 災害ハザードマップに注意

 最近では地球温暖化により数十年に一度の大雨という言葉がよく聞かれるようになっていて、明らかに自然災害のリスクが増しています。災害ハザードマップで保管場所にどんなリスクがあるか確認してください。⑥台風・竜巻・洪水・高潮の水害に該当するのは、高潮や河川の氾濫だけでなく、内水氾濫によって冠水した交差点やアンダーパスへの侵入など、思わぬところで被害を受ける可能性があります。
 この他どこでも起こりうるのは、台風や竜巻で何かが飛んできて衝突したり、ゲリラ豪雨でゴルフボール大のひょうが降ってきて、ルーフやボンネットに無数の傷がつくことなどですが、保管場所の屋根の有無や強度などにも関係してきます。

4. 高齢ドライバー、軽自動車に注意

 自然災害以外のリスクでは、高齢ドライバーのブレーキとアクセルの踏み間違いによる衝突や墜落もよく耳にします。どうしても反応が遅くなったり、足を踏みかえたつもりでも十分に足が持ち上がっていなかったり、自分で思っているよりも年齢と共にできなくなって行きます。高齢ドライバーが新車に乗るなら車両保険にも入った方が安心です。ただ、そんな心配をするくらいなら、免許を返納した方が後悔せずに済むかもしれません。
 また、これも経験がありますが、軽自動車は新車価格と比べて修理費が高くなることが多く、車両保険に入っていないと新車でも廃車にせざるを得ないケースが多々あります。

5. 地震・噴火・津波の特約と新車特約

 一般的に車両保険が適用されないのは、地震・噴火・津波を原因として被った損害です。ただし、地震・噴火・津波による損害に対して保険金を受け取れる「車両全損時一時金払い」特約などを用意している損害保険会社もあり、全損時に限って車両保険金額を超えない範囲で一定額の保険金を受け取れます。
 また、車両保険で設定できる保険金額は時価相当額になりますので、何年か経って全損になっても、新車に買い替えられる保険金は受け取れません。しかし、新車登録から5年以内等の条件を満たせば、新車特約を付けることで新車相当の保険金額を受け取ることができます。

6. 免責金額などによる保険料の割り引き

 免責金額は、保険金を受け取る際に自己が負担する金額のことで、免責金額に応じて保険料が割り引かれるメリットがあります。もともと軽微な損害では、割引等級が下がることを避けて車両保険を適用しないことが多く、高額な修理代の場合のみ車両保険を適用するなら、免責金額を設定して保険料を下げるメリットは十分にあります。
 また、損害保険会社によっては、前述の①~⑪のどのケースに適用するかを選択することで、保険料を低く抑えられる保険もあります。リスクを限定できるのであれば、活用してみてはいかがでしょうか。

7. その他

 余談ですが、経験上気を付けた方が良いことにタイヤのパンクがあります。保険金は出ないため、特に都市部ではあまり路肩に寄るのは避けた方が無難です。郊外ではパンクなど一度も経験したことがありませんでしたが、都市部では10年間で2度パンクを経験して驚きました。木ネジや釘がしっかり刺さっていて、うち1回はタイヤの角に刺さって修理不能と言われ、新品と交換しました。まだ溝の減りが少なかったためぎりぎり4本全部交換は避けられましたが、なんでこんなものが道路に落ちているのか、と思ったものでした。

 今後、自然災害による車両事故が増えると、保険料も値上りするかもしれませんが、何がどの程度のリスクなのかを正しく把握してリスクに備えておけば、後悔することが減ることでしょう。


教育訓練給付講座の受講は求職活動実績として認定される
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 リスキリングにより新たな資格を取得して、転職などを考えている方も増えていると思いますが、リスキリングを支援する教育訓練給付制度という金銭面での強い味方があります。詳しくは、記事「リスキリングを支援する給付金」 をお読みください。ここでは、教育訓練給付講座を受講していれば、雇用保険の基本手当(失業給付)も受給しやすいことについて紹介します。

 就業中に雇用保険に一定期間(離職前2年間に12ヶ月以上)加入していれば、自己都合退職や定年退職で離職したとしても、ハローワークで申請することにより、離職から1年の受給期間内であれば雇用保険の基本手当を受給することができます。雇用保険の加入期間によって基本手当の給付日数は異なりますが、自己都合、定年退職の場合は90~150日間受給することができます。なお、会社都合や正当な理由のある自己都合などの場合は90~330日間、障害者などの就職困難者の場合は150~360日間受給でき、離職前の雇用保険への加入期間の条件も緩和されます。基本手当の金額は年齢、賃金によって異なりますが、離職直前6ヶ月間の平均賃金日額の50%~80%(60歳~64歳は45%~80%)で、賃金が低いほど率が高く、年齢によって上限額が決められています。

 ただし、申請後7日間の待機期間があり、その間は受給できず、自己都合の場合はさらに2ヶ月間(ただし5年間に2回まで、それ以上は3ヶ月間)の給付制限期間が設けられています。また、受給条件として、失業認定(就職する意思と能力を有していること)が必要で、原則28日間の認定期間ごとに2回以上の求職活動をしたことを、ハローワークに申請して認定される必要があります。ここでの求職活動は、ハローワークでの職業相談、キャリアカウンセリングでの相談や、ハローワーク、地方公共団体、民間職業紹介事業者などが主催する職業紹介や求職活動支援セミナー、求人への応募、再就職のための資格試験の受験などの一定の活動のみが認められています。具体的には、ハローワークで最初に渡される「雇用保険受給資格者のしおり」に記載されています。

 確認した範囲でですが、しおりには書かれていなくても、再就職のための教育訓練給付講座の受講についても実績として認められます。教育訓練給付講座をいつ受講し始めたかは関係なく、離職前から受講していても、基本手当の認定期間中に受講していれば求職活動実績として認定されます。「失業認定申請書」に、いついつに受講したと記載をするだけで、対面であろうがリモートであろうが関係ありません。(正確には、「就職活動ができなかった」を選択して、理由として「教育訓練給付金の対象講座〇〇〇を受講中」などと書くようです。詳細はハローワークで確認してください。また、その上で「就職相談」をするように指示されることもあるようです(2023/12/14 加筆修正)。)最初の認定時に受講内容の確認があった場合には、受講コースや受講スケジュール、領収証などを見せればよいでしょう。新たな資格を取得してから求職活動を、と考えている方には大きなメリットになります。

 ネットでは、都道府県によって認められなかったり、修了時に1回だけ認められるなどの情報もありますので、受講する前にお近くのハローワークに詳細を確認することをお勧めします。誰にでも丁寧に教えてくれますので、遠慮なく聞いてみると良いでしょう。また、自己都合退職での給付制限期間として、現在は2ヶ月間もしくは3ヶ月間が設けられていますが、リスキリングを推進する狙いから、自己都合であっても一定の条件のもと、給付制限期間を短縮する案が政府で検討されています。給付金額や制度は年々変わる可能性がありますので、動き出す前に確認することをお勧めします。

(出典:「基本手当について」(ハローワークインターネットサービス)(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html)を元にライフプラン・シム作成)


後期高齢者医療制度の保険料の推移
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 グラフには、後期高齢者医療制度の保険料に関する3つの全国平均値の推移を示しています。1つ目は、収入に寄らず誰にもかかる均等割額の年額で、2つ目は所得に応じて徴収される所得割の保険料率、3つ目は全国平均保険料の年額です。2008年(平成20年)から制度化された後期高齢者医療制度ですが、都道府県ごとに均等割額、保険料率が定められ、2年に一度改定されます。

 グラフにおいて、2018年度には保険料率が若干下がっていますが、それを除けば、後期高齢者の増加に伴って数値は増加し続けており、平均保険料は2008年比で約25%増加しています。なお、平均保険料は均等割額との積み上げグラフで表しており、2022年で均等割額が47,777円で、平均保険料は77,663円となっています。また、保険料率のみ右軸の目盛りを参照してください。参考までに、国民健康保険の全国平均保険料(介護保険料は除く)は2021年時点で91,310円となっています。

 それでも、1割~3割の窓口(本人)負担を除いた残りの50%を公費(国と地方自治体)で負担し、40%を75歳未満の医療保険で支え、残りの10%を後期高齢者医療制度の保険料で賄っている状況を理解すれば、保険料の上昇もある程度やむを得ないと感じざるを得ません。一方で、現実に負担する側にとっては、保険料の値上りは厳しいのも事実です。

 また、保険料の計算においては、所得割の計算のもととなる賦課所得は、国民健康保険と同様、前年の所得から住民税の基礎控除額(高額所得者を除き43万円)を差し引いた金額となります。また、均等割額と所得割額を合計した額には、賦課限度額すなわち保険料の上限額が設定されています。2022年の賦課限度額は66万円で、収入金額ベースでは1,000万円前後になります。

 この賦課限度額も、2008年当初は50万円でしたが、2012年に55万円、2014年に57万円、2018年に62万円、2020年に64万円と引き上げられてきました。そして、2023年(令和5年)の厚生労働省の医療保険制度改革において、出産一時金を42万円から50万円に引き上げるにあたり、後期高齢者医療制度の保険料からも一部を支援する方針が示され、2024年から73万円、2025年からは80万円に、段階的に引き上げられる見通しです。

 なお、2024年からの均等割額も50,500円程度に、保険料率も10.7%程度に、平均保険料も87,200円程度になる見通しで、ますます保険料が上がりそうです。ただし、後期高齢者医療制度でも国民健康保険制度と同様に、住民税非課税世帯やこれに準じる世帯に属する被保険者には、世帯所得に応じて均等割額の7割、5割、2割が軽減されたり、本人の賦課所得により、所得割額の50%、25%が軽減される措置がありますので、該当の可能性がある方はご確認ください。

 特に均等割については、本人の賦課所得ではなく、本人が属する世帯の所得(世帯内の後期高齢者の被保険者全員と世帯主の総所得の合計)で判定されますので、親子同居世帯などは注意が必要です。かといって、安易に世帯分離を行うと、世帯主側の扶養控除が受けられなくなるケースなどもありますので、メリット、デメリットをよくお調べください。

(出典:「医療保険制度改革について」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001037866.pdf)を元にライフプラン・シム作成)


リフォームで活用できる減税制度
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 住宅をリフォームする際に、少しでも負担を軽くしたいと考えると思いますが、税制面で大きく2つの特別減税制度があります。ひとつは、リフォーム促進税制(住宅特定改修特別税額控除)で令和5年12月末までの時限措置、もうひとつは住宅ローン減税制度(住宅借入金等特別控除)で令和7年12月末までの時限措置です。リフォーム促進税制は、住宅ローン利用の有無に関係なく、要件を満たせば申請できます。なお、これらの控除を受けるためには、建築士等が発行した増改築等工事証明書などを用意する必要があります。

1. リフォーム促進税制

 リフォーム促進税制の対象となるリフォーム内容には、耐震化、バリアフリー化、省エネ化、同居対応、長期優良住宅化があり、それと併せて実施されるその他の改修が対象となります。改修工事が完了して居住を開始した年の所得税、改修工事が完了した翌年の固定資産税のそれぞれ一部が控除される制度です。ただし、耐震化のみ、居住開始の要件は除外されている一方、同居対応は固定資産税控除の対象外です。また、自己が所有する居住用家屋で(耐震化は除く)、工事後の床面積が50m2以上、かつ1/2以上が自己の居住用であること、控除を受ける年の所得が3,000万円以下であること、などの要件を満たす必要があります。

 所得税の控除としては、2段階の控除率が設けられており、1段階目は、メインのリフォーム対象工事費の10%に相当する額が所得税から税額控除されます。ただし、対象工事費は実際にかかった費用ではなく、国が定めた標準工事費が適用され、他に補助金を受け取る場合は補助金を差し引いた費用になります。また、対象工事費のうち控除される上限がリフォーム内容に応じて定められており、200万円、もしくは250万円となっています。また、耐震化を除き、50万円以上の工事が対象となります。

 2段階目は、メインの対象工事で控除上限を超過した分と、同時に行うその他の改修工事について、工事費の5%相当分が減税になります。このとき、その他の改修工事費は、対象工事費と同額まで(ただし、控除上限まで)、かつ、対象工事費と合わせた総工事費1,000万円までが対象となります。また、耐震化、バリアフリー化、省エネ化、同居対応のリフォームは併用することが可能です。さらに、省エネ化と併せて、太陽光発電設備を設置する工事を行う場合は、対象工事費の上限が100万円増額されます。

 固定資産税の控除としては、同居対応は対象外ですが、耐震化が1/2、バリアフリー化、省エネ化がそれぞれ1/3、長期優良住宅化が2/3を控除され、バリアフリー化、省エネ化は併用が可能です。なお、控除される家屋面積に上限があり、バリアフリー化が100m2まで、それ以外が120m2までとなっています。

2. 住宅ローン減税制度

 リフォームの工事費に、返済期間10年以上の住宅ローンを利用する場合で、改修工事費が100万円以上の場合には、住宅ローン残高2,000万円を上限として住宅ローン控除が受けられます。年末の住宅ローン残高の0.7%相当を所得税から控除でき、最大10年間控除できます。リフォーム促進税制の耐震化の控除と、住宅ローン控除は併用することができますが、それ以外のリフォーム内容では併用できません。

 なお、リフォーム促進税制との要件の違いは、控除を受ける年の所得が2,000万円以下であること、対象に増築、改築(取り壊して既存と同じ規模の家屋を建てる)および、壁、床、階段、屋根などの過半以上の修繕または模様替え、一定規模(一室の床または壁の全部など)以上の修繕または模様替えなどが含まれ、対象範囲が広いことです。

 リフォーム促進税制の対象となっている省エネ化や耐久化(長寿命化)に関するリフォームについては、国や地方自治体による補助金もありますが、施工業者が申請を行うなど手続きが異なったり、適用条件もあります。無理して想定を超える費用になることなどが無いように、事前によく確認しておくとよいでしょう。

(出典:「住宅のリフォームに利用可能な税制特例」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr2_000011.html)を元に、ライフプラン・シム作成)


新NISA(ニーサ)の改正点
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 2020年度の税制改正により、2024年以降のNISA(ニーサ)制度の延長と改正(詳細は「NISAの延長と改正」 を参照)が国会で決議されていましたが、政府の資産所得倍増に向けた投資活性化方針により、2024年からの新NISAが、さらに投資促進方向に見直される見込みですました。現行制度からの主な改正点は以下の通りです。

①NISA制度の恒久化
②非課税期間の無期限化
③年間投資枠の拡大(一般NISA改め「成長投資枠」は240万円、つみたてNISA改め「つみたて投資枠」は120万円)
④成長投資枠とつみたて投資枠の併用可
⑤非課税保有限度額(総枠)の設定と拡大(成長投資枠は1,200万円、つみたて投資枠と成長投資枠の合計1,800万円)
⑥売却後の総枠の再利用可
⑦成長投資枠の対象商品の絞り込み

 それぞれについて、詳しく見ていきましょう。ただし、決議前ですので、詳細は変わる可能性があります。(2023/12/8 加筆修正)

①NISA制度の恒久化
 現行NISAによる投資利益の非課税優遇は時限措置で、期限を迎える毎に延長か打ち切りかが議論されてきましたが、新NISAでは恒久化されます。

②非課税期間の無期限化
 現行NISAでは、一般NISAの非課税期間が5年、つみたてNISAの非課税期間が20年と区切られており、一般NISAについては非課税期間の終了時に、翌年の投資枠を使ってロールオーバー(詳細は「NISAのロールオーバー」 を参照)するかしないかを決めていましたが、新NISAでは非課税期間が無期限となり、ロールオーバーも不要となります。

③年間投資枠の拡大
 現行NISAでは、一般NISAの年間投資枠は120万円でしたが、新NISAでは名前を「成長投資枠」と改め、年間投資枠は2倍の240万円に引き上げられます。また、つみたてNISAの年間投資枠は40万円でしたが、名前を「つみたて投資枠」と改め、3倍の120万円に引き上げられます。

④成長投資枠とつみたて投資枠の併用可
 現行NISAでは、一般NISAとつみたてNISAで口座が分かれており、どちらか一方のみしか選択できませんでしたが、新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠は一つの口座で併用することができます。また、すでに一般NISAもしくはつみたてNISA口座を保有の方は、自動的に新NISAが利用可能になると思われます。これまで、積立てもしたいが株式投資もしたいと思われていた方は、一般NISAで5年の縛りを受けながら運用するしかありませんでしたが、新NISAで併用できるようになることは大きいと思います。

⑤非課税保有限度額(総枠)の設定と拡大
 現行NISAでは、年間投資枠と非課税期間から、買付け残高(簿価残高)での非課税保有限度額は一般NISAが600万円、つみたてNISAが800万円でしたが、新NISAでは非課税期間が無期限になるものの、口座(生涯)の非課税保有限度額が総枠1,800万円に拡大されて保持されます。なお、成長投資枠についてはその内数として総枠が1,200万円になります。

⑥売却後の総枠の再利用可
 現行NISAでは、保有する商品を売却しても、売却分を新たな年間投資枠として再利用することはできません。新NISAでも、年間投資枠については同様であるものの、非課税保有限度額(総枠)については、売却分を総枠として再利用することができます。どの時点で再利用できるのかなど詳細は分かりませんが、売却後に、年間投資枠の範囲であっても、別の銘柄を購入できれば、損益確定による銘柄の入れ替えや、リバランスなどが比較的容易にできるようになるため、より長期に運用することが容易になるでしょう。

⑦成長投資枠の対象商品の絞り込み
 つみたて投資枠の対象商品は、現行のつみたてNISAと同様に、一定の要件を満たして金融庁に届出された投資信託に限られます。一方、成長投資枠の対象商品は、上場株式や投資信託など幅広く投資できますが、より安定的な資産形成の趣旨にそぐわない、整理・監督株式銘柄および、信託期間20年未満や、高レバレッジ型、毎月分配型の投資信託は除外され、一般NISAよりも対象商品が絞られます。このため、これまで非課税運用できていた投資信託でも、見直さなければならない可能性があり、注意が必要です。

 最後に、現行の一般NISA、つみたてNISAで投資した商品については、新NISAの外枠として扱われ、2024年以降に、新NISAにロールオーバーすることも、新たな投資をすることもできませんが、現行NISAでの非課税期間までは、そのまま非課税で保有できます。また、ジュニアNISAにつていは、2023年末をもって終了となりますが、5年間の非課税期間が終了しても、18歳になるまでは手続き不要で非課税措置が継続されます。

 概ね、非課税投資枠が拡大、無期限化や、成長投資枠とつみたて投資枠の併用可、総枠の再利用など、長期運用の安心感と自由度が増し、投資意欲を高める内容になっています。対象商品が絞られることに、現行の一般NISA利用者は注意が必要ですが、20%の税金が非課税になる効果は絶大ですので、大いに資産形成の味方になってくれるものと思われます。

過去のNISA関連記事

「NISAのロールオーバー」

「NISAの延長と改正」

「個人年金保険とiDeCo、つみたてNISAの比較」

「NISAとつみたてNISA」

(出典:「新しいNISA」(金融庁)(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html)を元にライフプラン・シム作成)


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